自転車操業とは?抜け出す方法について解説!

自転車操業とは、「借金返済のために新たな借金をする」というサイクルを繰り返している状態を指します。

クレジットカードも含め借金の返済先がいくつもある方、収入に対して借金額が大きすぎる方などは自転車操業に陥りやすいでしょう。

この記事では、自転車操業の危険性、自転車操業になってしまった場合の対処法などについて解説しています。

この記事の要約

  • 自転車操業が危険な理由は「借金が減らない」「急に借入れできなくなる可能性がある」など
  • 闇金に手を出してしまうおそれもあるため、とても危険である/li>
  • 自転車操業になってしまった場合の対処法として、借金の一本化もしくは債務整理が挙げられる

監修

弁護士法人サンク総合法律事務所
弁護士 淺海 菜保子

弁護士法人サンク総合法律事務所 淺海 菜保子

自転車操業とは?

自転車操業とは、各種支払いや借金返済のために借金をし続けている状態のことを指します。ペダルを動かすことを止めると倒れてしまう自転車になぞらえて、このように言われるようになりました。

たとえば、事業をしている方が商品の仕入れ代として発生した50万円を借金して支払い、その後100万売上があったとします。

そこから50万円を借金返済にあて、人件費や家賃などの固定費が50万円かかった場合、すべてを支払うと手元に資金は残りません。そしてその月の仕入れに50万円かかった場合、再度借金して支払う、ということを繰り返さなければならなくなるのです。

自営業者でなく、会社員やアルバイトとして働いている場合でも、自転車操業となるケースはあります。

カードローンやクレジットカードなどの支払いが多額となり、給料のほとんどをその返済にあてるとすると、1か月生活するのに十分な額が手元に残らなくなります。

そこでその月もまたカードで買い物をした結果、次月の給料もほとんどが返済に消えていくこととなり、継続的に借金をしなければならなくなるでしょう。

このように、「借金しなければ支払いができない」という状況がよくある・常態化しているという方は、自転車操業になっている可能性が高いため、なるべく早く改善策を模索しましょう。

自転車操業が危険な理由とは?

自転車操業になっていても、事業での経営が悪化することなく、普段の生活でも無駄遣いしなければ、「どんどん借金が増えていく」という事態に陥ることは少ないでしょう。

それでは、なぜ自転車操業は危険で、早めに解消すべきなのでしょうか?

借金が減らない

自転車操業では、毎月手元に残る資金が少なくなってしまいます。

借金を返済した残りのお金で、家賃や生活費などを支払えるのであれば、貯蓄へまわすなどの余裕はなくても借金完済は見込めるでしょう。

しかし、借金を返済した残りのお金では各種支払いに不足している場合、不足分をまた借金で補うことになるため、借金総額を減らすことができないのです。

借金が減らせないだけでなく、急な出費で収入が減ってしまえば、その分をカバーするための借入が増えてしまう可能性もあります。

急に借入れできなくなる可能性がある

借金なしには事業や生活がまわらない状況で以下のような事態になると、急に借入れできなくなってしまうおそれがあります。

自転車操業の状態では、借入れができなくなるということは、各種支払いや借金返済など何かしらの支払いができなくなる、生活が回らなくなることを意味します。

急に借入れができなくなるのは主に以下の3パターンです。

・返済が遅れた場合

期日までに返済ができなかった場合、多くの金融機関(債権者)は次回の借入れを拒否します。

1度でも返済が遅れると、その後の借入れができなくなる場合が多いのです。

・総量規制に抵触した場合

総量規制とは、金融機関が貸付可能な金額にもうけている制限のことです。借入れを希望する利用者の年収に対して、金融機関は3分の1までしか貸し付けられなくなっています

総量規制の対象は消費者金融やクレジットカードなどで、銀行や信販会社のローン(車のローンなど)は対象外となります。
(参考:お借入れは年収の3分の1まで(総量規制について)【貸金業界の状況】

ただし、金融機関によっては自主的に規制をもうけているケースもあるため「銀行カードローンだから大丈夫」などと過信するのは禁物です。

複数のカード会社へカードの新規申し込みをする行為なども、融資がストップされる原因となりやすいので注意しましょう。

・限度額を減額された場合

キャッシングやカードローンなどの限度額は、定期的に更新されます。契約時に与えられた限度額も、経済状況や収入に応じて増減されるケースがあるのです。

収入が減少する、返済が遅れている、複数の借入先から借金をしているなど、限度額の減額にはさまざまなケースが考えられます。

自転車操業で毎月限度額いっぱいまで借金をしている状況では、限度額が減額されるとあっという間に返済不能になってしまうでしょう。

やりたいことができない・精神的負担が大きい

自転車操業を続けている方の中には、「今月はどうやって生活していくか」「いくら借りなければならないか」とお金のことで頭がいっぱいになっている方も多いのではないでしょうか。

借金の悩みから、何をするにも集中できない。結婚や転職など本当にやりたいことに踏み出せない。そんな状態が続き、心が塞いでしまう方も多いのです。

借金問題を解決し、ものごとに前向きに取り組めるようになるためにも、なるべく早く自転車操業の状態から抜け出しましょう。

闇金に手を出してしまうおそれも

借金限度額で自転車操業を続けていると、闇金に手を出してしまうリスクも大きくなります。

闇金でお金を借りるには特に審査は必要ありませんし、即時貸付がほとんどなので、切羽詰まった状況で闇金に頼る方もいます。

ただ、闇金は法律で定められた以上の利息をとって営業している違法な組織です。

手口としては貸したお金を簡単に返させてくれず、あれこれ理由をつけて貸付期間を伸ばしたり、「手違い」などといって勝手に口座に入金したりして、膨大な利息をつけた返済を求めてきます。

返済ができない場合は、職場や近隣にも迷惑のかかるような激しい取り立てをされる可能性が高いため、絶対に手を出さないようにしましょう。

自転車操業に陥ってしまったときの対処法とは?

「自分は自転車操業になりつつあるかもしれない」「既に自転車操業に陥っている」という自覚がある場合には、以下のような対処法を検討しましょう。

借金の一本化で返済負担を軽くする

複数の金融機関から借入れをしている場合には、借金を一本化することで返済の負担を軽減できる可能性があります。

借金の一本化の選択肢として、「おまとめローン」と呼ばれるものがあります。おまとめローンとは、金融機関1社で借金を借り換えるローン商品のことです。

たとえば、3社で20万円ずつ、計60万円を金利15%で借りていた場合、金利10%の金融機関で60万円借り入れて金利の高い借金を一括返済すれば、金利5%分の負担が軽減します。複数社への返済も、1社のローンにまとめることで、月々の返済額を減らすことが可能です。

ただし、月々の返済額が減っても、返済が長期化してしまうデメリットがあります。低金利にするためには、必要以上の金額を借り入れなければならない場合もあるため注意が必要です。

おまとめローンは大手金融機関でも取り扱いがありますが、審査があるため条件によっては借りられない可能性もあります。

債務整理をする

おまとめローンでの借入れでは思うように借金が減らない、または審査に通らない可能性が高い場合には、債務整理を検討しましょう。

債務整理には任意整理個人再生自己破産といった種類があります。ひとことで、自転車操業と言っても、人によって具体的な状況は異なります。

今後も安定した収入が見込めるのかどうか、大きな資産価値のあるものを持っていて、それは手元に残したいかどうかなど、個々人の事情によって、適切な債務整理の方法は異なります。

それぞれのメリットとデメリットは下記の通りです。

・任意整理

借金をしている金融機関などと直接交渉し、利息のカットもしくは大幅減額や、長期分割を目指す方法です。

裁判所を通さない手続きのため、自身の財産を守ったまま手続きを進められる、任意整理をする借入先を選べる、等のメリットがあります。

一方で、借金の元本を大きく減らすのは難しい点や、裁判所を通さない分、交渉力が問われる点(弁護士などの専門家に依頼せず個人が交渉すると成功率が低くなる)等のデメリットがあります。

・個人再生

裁判所で手続きを行い、借金の大幅減額や長期分割などを目指す方法です。

任意整理よりも減額の幅が大きく、最大で5分の1ほどにまで借金が減らせる反面、原則として、3年以内に返済しなければならない点や、手続きに一定時間を要するといったデメリットもあります。

・自己破産

裁判所で手続きを行い、現在ある借金の免除(税金など一部を除く)を目指す方法です。認められれば借金返済の必要がなくなるメリットは大きいですが、生活に必要な最低限の財産以外は失うというデメリットがあります。

自転車操業であると感じたら?どこに相談すればよい?

自分自身が「自転車操業である」と感じている場合、どのタイミングでどこへ相談すればよいのでしょう。

弁護士への相談を検討する場合、できるだけ早いタイミングで行うことが大切です。

「このままだと自転車操業になってしまう」と不安に感じた時点でもよいでしょう。実際に返済不能になってしまったり、財産を差し押さえられたりしてしまう前に相談することで、検討できる債務整理の選択肢が広がります

また、相談するならどの弁護士でもよい、というわけではありません。弁護士や司法書士でも、債務整理の実績が少ない場合は、手続きに慣れていないケースもあるからです。

債務整理の取扱い実績が多い弁護士事務所を選びましょう。

初回の相談は無料で対応していることが多いので、迷った場合は無料相談を利用するとよいでしょう。

まとめ

自転車操業とは、ペダルを漕ぐのを止めた自転車が倒れるように、借金をし続けなければ生活や事業を保てない状態のことを指します。

資金が足りずに借金で支払いをして、翌月にはその借金を返済する。するとまた支払いに必要な資金が足りずに借金を繰り返すといった状況は、自転車操業に陥っています。

自転車操業ではとりあえず借金をすれば支払えるし、翌月には返済もできるため、問題なく過ごせているように錯覚しがちです。しかし、収入が減ったり急な出費があったりすれば、たちまち借金の額は増えてしまいます。

また、返済が遅れたり、限度額が減額されたりすれば急に借金ができなくなり、転がるように返済不能となるリスクも高いのです。

自転車操業になってしまった場合の対処法として、おまとめローンを利用する方法もありますが、借金を減額できるわけではなく、審査に通らない可能性もあります。

自転車操業で悩んでいるなら、返済不能となる前に、できるだけ早い段階で債務整理について弁護士などへ相談しましょう

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