ブラックリストの消し方はある?弁護士が教える事故情報の削除について

ローンやクレジットカードの滞納・延滞といった事故情報が信用情報機関に記録されることを、俗に「ブラックリストに載る」と言いますが、ブラックリストに載ってしまうといろんな場面で影響が出てきます。

この記事では、ブラックリストの消し方はあるのか、ブラックリストに載っているかの確認方法など、ブラックリストに関する疑問について弁護士が解説しています。

監修

弁護士法人サンク総合法律事務所
弁護士 市川 正敏

弁護士法人サンク総合法律事務所 市川 正敏

ブラックリストの消し方はない

債務整理をしたことなどで載ってしまった事故情報。ブラックリストから削除できるなら、今すぐにでもしたい方も多いでしょう。

しかし、ブラックリストに消し方はありません。

ブラックリストは掲載期間が決まっているため、原則として、その期間が経過するのを待つしかありません。

主な信用機関であるKSC・CIC・JICCの3機関は、「情報に誤りがあれば訂正に応じるが、情報が事実である場合には削除は一切行わない」ことを基本的な方針としており、このことからもブラックリストを消すことはできないと言えるでしょう。

「ブラックリストから削除できる」は詐欺の可能性が高い

「ブラックリストの情報を削除します!」というサービスを見かけることが稀にありますが、そうしたサービスは詐欺の可能性が高いため注意が必要です。

そもそも、信用情報機関のブラックリストは銀行や貸金業者といった債権者(お金を貸している人)を守るためのものです。

そのため、債務者の都合でブラックリストの削除はできないですし、「削除できます」というサービスは、都合の良いことを言い、ブラックリストに困っている人を狙っているだけの可能性が高いです。

例外的に消せるケースもある

信用情報機関の事故情報を削除するには、債務を返済してから一定期間を待つ以外の方法はありません。

ただし、情報が間違っている、借金の時効が成立するといったケースに該当する場合、例外的に事故情報の削除が可能です。

それぞれのケースについて詳しく見てみましょう。

ブラックリストの情報が間違っていた場合

信用情報機関は、債務者を特定するための事故情報と一緒に個人情報を記録しています。

氏名、生年月日、性別、住所、電話番号、勤務先、運転免許証番号などが掲載されるのですが、同姓同名の方が債務整理をした際に、誤って情報が登録されてしまうなど、ごく稀に、ブラックリストに掲載される必要がない方の個人情報が誤って掲載されることがあります。

この場合は、個人情報の開示請求を行い、間違った事故情報が記録されていることを確認した上で、削除を依頼できます。

借金の時効が成立した場合

借金には以下のように時効があります。

  • 債権者が債務の返済を要求できることを知りながら、5年が経過した
  • 返済期日の翌日から、債権者が返済の要求をせずに10年が経過した

いずれかが成立した時点で借金は時効となります。

この場合、時効前にブラックリストに掲載されていても、時効を理由に消すことが可能です。

ただし、今、借金を滞納してブラックリストに掲載されている方が、そのまま滞納を続けていても、時効になる可能性は極めて低いのでご注意ください。

ブラックリストから消えるまでの期間

ブラックリストから消えるまでの期間は、以下の事情によって異なります。

  • なにが原因でブラックリストに載ったのか
  • どの信用情報機関のブラックリストに載ったのか

ここでは、ブラックリストに掲載された理由別で、消えるまでの期間を解説します。

借金を滞納した場合

借金やローンを計画通りに返済せずに滞納しても、すぐブラックリストに掲載されることはありませんが、滞納が61日以上続くと、信用情報機関に事故情報が記録されます。

この場合、ブラックリストから削除されるまでの期間は以下の通りです。

信用情報機関削除までの期間
CIC滞納の解消から約5年
KSC滞納の解消から約5年
JICC滞納の解消から約1年

滞納を解消したら、すぐブラックリストから削除されるわけではありません。何年も待つ必要があります。

また、連続で3回滞納をすると、61日未満でもブラックリスト入りする可能性が高く、この場合、ブラックリストから削除されるには3つの信用情報機関ともに、滞納の解消から約5年かかります。

クレジットカードが強制解約になった場合

利用規約で禁止されている行為を行うと、クレジットカードは強制解約となり、信用情報機関に事故情報として記録されます。

滞納を続けると強制解約されますし、その他ではクレジットカードの現金化をした場合も強制解約になる可能性が高いでしょう。

クレジットカードが強制解約になった場合、3つの信用情報機関ともにブラックリストから削除されるまで約5年かかります。

保証会社に代位弁済された場合

ローンの返済やクレジットカードの支払いが滞り、保証会社が代位弁済を行うと、信用情報機関に事故情報として登録されます。

契約内容などによるものの、一般的には返済が3カ月滞ると保証会社が代位弁済を行います。

代位弁済となると、クレジットカード会社および銀行にではなく保証会社に立て替えてもらった分を返済する必要があります。

この場合、3つの信用情報機関ともにブラックリストから削除されるまでの期間は約5年です。

債務整理をした場合

債務整理(任意整理・個人整理・自己破産)をすると借金の返済額を減らせますが、その反面、信用情報機関に事故情報として登録されてしまいます。

ブラックリストから削除されるまでの期間は以下の通りです。

任意整理の場合

CIC債務完済から約5年間
JICC契約日が2019年9月30日以前:和解した日から約5年間
契約日が2019年10月1日以降:債務完済から約5年間
KSC債務完済から約5年間

個人再生の場合

CIC債務完済から約5年間
JICC契約日が2019年9月30日以前:当該事実の発生日から約5年間
契約日が2019年10月1日以降:債務完済から約5年間
KSC民事再生手続開始決定日から7年を超えない期間

自己破産の場合

CIC免責許可決定の確定日から約5年間
JICC免責許可決定の確定日から約5年間
KSC破産手続開始決定日から7年を超えない期間

申し込みブラックになった場合

信用情報機関は事故情報に限らずクレジットやローンの契約に関する情報をすべて記録しています。

一度に複数のカードやローンの申し立みをすると、信用情報を見た金融機関・クレジットカード会社は「もしかして多重債務者かもしれない…」と疑いをかけられる可能性があるためです。

そのため、短期間にたくさんのカードやローンを申し込むと、審査に落ちやすい「申し込みブラック」と呼ばれる状態に陥いる事態に。

信用情報機関によるクレジットやローンの契約に関する情報の保管期間は6カ月のため、申し込みブラック状態は半年ほどで解消されます。

自分がブラックリストに載っているか確認するには

クレジットカードやローンの審査に落ち続けているなど、心当たりがある方は、信用情報機関に信用情報の開示請求をしましょう。

具体的な信用情報の開示請求の方法として下記の方法があります。

  • CICとKSC:郵送およびインターネット
  • JICC:郵送およびスマートフォンアプリ

郵送での開示請求する場合、申込書を送ってから結果が届くまで最大で10日ほどかかりますが、インターネットおよびスマートフォンアプリなら即日での情報開示が可能です(ただしKSCを除く)。

結果を早く知りたいという方は、インターネット、スマートフォンアプリがおすすめです。それぞれの特徴について下記で解説します。

JICCへの開示請求

JICCは、ほとんどの消費者金融と一部のクレジットカード会社が加入している信用情報機関です。

JICCの場合、郵送および専用のスマートフォンアプリで開示請求が可能です。

郵送での開示請求

  1. 信用情報開示申込書をダウンロードし、記入する
  2. 郵送開示利用券をコンビニで購入する
  3. 信用情報開示、郵送開示利用券、本人確認書類(2点)を「株式会社日本信用情報機構 開示窓口」宛てに郵送する

スマートフォンアプリの場合

  1. 「JICCスマホアプリ」をダウンロードする
  2. 氏名や生年月日などを入力する
  3. 手数料1000円を支払う

CICへの開示請求

CICは複数のクレジットカード会社が協働出資して設立した信用機関であり、ほとんどのクレジットカード会社と一部の消費者金融が加盟しています。CICの場合、インターネットおよび郵送で開示請求ができます。

郵送の場合

  1. 信用情報開示申込書をダウンロードし、記入する
  2. 定額小為替証書を郵便局で購入する
  3. 信用情報開示、定額小為替証書、本人確認書類(2点)を「株式会社シー・アイ・シー 郵送開示センター」宛てに送付する

インターネットの場合

  1. クレジットカードの契約時に申告した番号から電話を掛け、受付番号を貰う
  2. (キャリア決済の場合)CIC公式サイト内の「開示専用ページ」で受付番号および電話番号を入力し、認証コードを取得する
  3. CIC公式サイト内の「開示専用ページ」で必要情報を入力する

KSCへの開示請求

KSCは銀行や信用金庫が加入している信用情報機関です。KSCの場合、郵送・インターネットでの開示請求が可能です。

なお、KSCの場合、本人確認に1営業日~3営業日が必要なため、インターネットからの申し込みであっても即日での情報開示はできません。

郵送の場合

  1. 登録情報開示申込書をダウンロードし、記入する
  2. 「本人開示手続き利用券」をコンビニで購入する
  3. 登録情報開示申込書、本人開示手続き利用券、本人確認書類(2点)を「一般社団法人全国銀行協会 全国銀行個人信用情報センター」宛てに送付する

インターネットの場合

  1. KSCの公式ページからメールアドレスを登録する
  2. 専用ページで氏名や住所などを入力する
  3. 本人確認を行う
  4. 専用サイトで手数料を支払う

社内ブラックリストの消し方はない

一部の銀行や消費者金融、クレジットカード会社などは、信用情報機関のブラックリストとは別に「社内ブラックリスト」を作っています。

一定時間が経てば事故情報が削除される信用情報機関とは異なり、社内ブラックリストの場合、どれだけ時間が経っても基本的に事故情報が削除されることはないことが多いです。

社内ブラックリストとは

社内ブラックとは、一部の銀行や消費者金融、クレジットカード会社が会社独自のものとして作っているブラックリストのことです。

  1. クレジットカード会社の場合:引き落とし不可の有無
  2. 銀行の場合:ローンの滞納・延滞
  3. 消費者金融の場合:返済の滞納・延滞

上記などが社内ブラックリストに記録されます。

一定時間が過ぎれば事故情報が削除される信用情報機関のブラックリストと違い、社内ブラックリストの場合、事故情報は半永久的に残り、削除されることは原則としてありません。

また、同じグループに属する会社であれば、相互に社内ブラックリストを共有しているのが一般的といわれています。

社内ブラックリストに登録されたときの対処法

信用情報機関のブラックリストとは異なり、社内ブラックリストについて開示請求はできません。

しかし、特定の会社のローン・クレジットカードの審査に落ち続けている場合、その会社の社内ブラックリストに登録されている可能性があります。

社内ブラックリストに事故情報が登録された可能性が高い場合、別の会社のローンやクレジットカードを利用を検討しましょう。

ブラックリストに載った時点で早めの対応を

ブラックリストに掲載されるケースでは、債務整理をしてブラックリストに載った場合を除けば、何かしらの借金トラブルを抱えており、すぐに対応をした方が良い状況であることが多いです。

そのため、早期の借金問題の解決に向けて行動をすることが大切です。

弁護士に相談すれば最適な解決方法が見つかる

信用情報機関のブラックリストに載っていることが分かったら、まずは弁護士に相談しましょう。

ブラックリストに載るほどの借金問題をどうすれば解決できるのか、最適なアドバイスを提案してもらえるはずです。

借金を地道に返済するのも大切ですが、思い切って債務整理をしたほうが良い結果を得られる可能性もあります。

借金に関する悩み・トラブルは知識がなければ解消が難しいため、ブラックリストに載っている期間を短くするためにも弁護士への相談がおすすめです。

まとめ

ブラックリストの消し方や、ブラックリストから消えるまでの期間を解説してきました。

繰り返しになりますが、借金滞納や債務整理などでブラックリストに載ってしまった場合、債務者が自分の都合でブラックリストを削除できるような「消し方」は存在しません。

ブラックリストに載った理由ごとに、リストから削除されるまでの期間が決まっていますので、その期間が経過する以外、ブラックリストが消える手段はないとご認識ください。

そして、ブラックリストに載るほど、借金返済に困っているなら、早めに債務整理などで借金問題解決を目指すのが得策です。

サンク総合法律事務所では、借金の無料相談を実施しており、ブラックリストに載ってしまった方に対し、最適な解決策をご提案することが可能です。

ブラックリストに掲載されてしまい困っているなら、早めに当事務所の弁護士までご相談ください。

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