借金返済が苦しい場合、債務整理によって解決できるケースが多数ですが、債務整理によっていわゆるブラックリスト状態(新しい借入などができづらくなる状態)になることが知られています。
起業を考えている方にとって、ブラックリスト状態でも起業ができるのか、どのような注意点があるのかなどは気になる点です。
今回は、ブラックリスト状態により起業に制限がかかることがあるのか、事業資金の調達方法などについて解説します。
- ブラックリスト状態だからといって起業できないという決まりはないが、事業資金の融資が受けられない可能性が高い
- 債務整理開始後に起業を考える場合は、事故情報が消えるのを待つか、融資以外の方法で資金を調達する選択肢を検討する
- 借金が多く返済が苦しい状態での起業はおすすめしない。借金返済を滞納してしまっているのであれば、なるべく早く債務整理などの方法で解決しよう
監修
弁護士法人サンク総合法律事務所
代表弁護士 樋口 卓也
いわゆる「ブラックリスト」とは
借金問題において「ブラックリストに載る」というのは、具体的には「信用情報機関に事故情報が残る」ことです。
借金返済を一定期間以上延滞したり、債務整理をしたりすると、それが事故情報として信用情報機関に残り、ローンやクレジットカードの審査に通りづらくなります。
ブラックリストは消えない?
いわゆるブラックリストから情報を消す(信用情報から事故情報を消す)ことは可能なのでしょうか?
情報が間違いでない限り、自分の意思で事故情報を削除することはできません。
下記は、信用情報機関のひとつであるCICのサイトから引用した文章です。
情報に誤りがあることが判明した場合には、登録元会社にて訂正・削除をいたします。(引用:登録されている情報を訂正・削除できるのですか?ーCIC)
債務整理をした場合、どの信用情報機関でも事故情報の保有期間は5~10年程度、滞納情報などの取引の記録は5年程度とされています。
その期間は金融機関などからの融資を受けるのは難しいと考えましょう。
ブラックリスト状態でも起業できる?
いわゆるブラックリスト状態だと起業ができないという決まりはありません。
ブラックリスト状態でも、株式会社やNPO法人の起業は出来ますし、個人事業主として独立することも自由です。
ただし、事業に必要な資金が手元にない場合、融資を受けられないことが多いという点に注意が必要です。
会社代表者として会社の借入の連帯保証人になることも基本的に出来ません。
ブラックリスト状態でも起業したい。事業資金を準備する方法
借金が多く返済が苦しい状態での起業はおすすめしません。借金返済を滞納してしまっているのであれば、なるべく早く債務整理などの方法で解決しましょう。
これから、債務整理などにより借金問題を解決したという前提で、その後起業のための事業融資を受ける方法について解説します。
事故情報が消えるまで待つ
債務整理をした場合、事故情報は5年〜10年程度で消えます。この期間事業資金をできるだけ貯めておいたり、起業に関する準備をしておいて、事故情報が消えたら融資を受けるという方法があります。
事故情報が消えたかどうかは、各信用情報機関に対して開示請求することで確認できます。
債権者(借金の貸主)以外に債務者(借金の借主)自身も信用情報を見ることができるということです。ちなみに、債務者の家族や知人、職場の上司などが信用情報を見ることはできません。
下記3種類の信用情報機関に開示請求をすれば、自分が契約している・もしくはしていた金融機関の情報が確認できます(情報には掲載期限があります)。
CIC(指定信用情報機関)
JICC(日本信用情報機構)
全銀協(全国銀行協会)
融資以外の方法で資金を調達する
ブラックリスト期間中でも起業をしたいという場合は、自己資金を準備する・または家族や友人、投資家などから資金を募る方法が考えられます。
起業しようとする事業内容を説明して出資メンバーを募ったり、創業メンバーとの共同出資・共同設立という形にする方法もあります。
まとめ
ブラックリスト状態だからといって起業できないという決まりはありません。
ただ、事業業資金の融資が受けられない可能性が高くなります。
債務整理後などに起業を考える場合は、事故情報が消えるのを待つか、融資以外の方法で資金を調達する選択肢を検討しましょう。
借金が多く返済が苦しい状態での起業はおすすめしません。借金返済を滞納してしまっているのであれば、早急に解決する必要があります。弁護士に債務整理の相談をしてみましょう。