携帯電話の料金を一定期間以上滞納すると、通話や通信を止められてしまいます。
長期にわたって支払いをしないと強制解約されてしまうおそれもあります。
今回は、携帯料金を滞納した後の強制解約までの期間、督促の流れやリスク、払えないときの対処方法をお伝えします。
一括払いの請求がきてしまい、「これからでも分割払いにできる方法はないか」と考えている方もぜひ参考にしてみてください。
- 携帯電話代を長期滞納して強制解約になった場合、分割交渉に応じてもらえる可能性はほとんどない
- 一括で支払うことが難しい場合は債務整理を検討する
- 債務整理には種類があり、どの手続きが最適なのかは弁護士に相談してみるのがおすすめ
監修
弁護士法人サンク総合法律事務所
弁護士 淺海 菜保子
携帯料金を滞納した場合に発生するリスク:携帯電話の契約ができなくなる
携帯電話の料金を2〜3か月滞納すると、携帯電話会社から契約を強制解約されてしまいます。
携帯電話料金を滞納して強制解約されると、どこの通信会社でも新しい携帯電話の契約をすることが難しくなります。
再び契約するには滞納料金を支払って、延滞の状態を解消する必要があります。
携帯電話の契約ができない理由は3つある
携帯料金の滞納により、なぜ携帯電話の新たな契約ができなくなるのでしょうか?
その理由としては以下の通りです。
- 信用情報に事故情報が登録される
- 通信会社(キャリア)で延滞情報が共有される
- 携帯電話の会社内でのブラックリスト「社内ブラック」
それぞれ詳しくみていきましょう。
・信用情報に事故情報が登録される
携帯端末を分割払いしている状態で携帯電話代を2~3か月以上滞納すると、信用情報に事故情報が登録され、いわゆる「ブラックリスト状態」になります。
・通信会社(キャリア)で延滞情報が共有される
通信料金を滞納すると、携帯電話の契約が基本的にできなくなってしまいます。ドコモやau、ソフトバンクなどの大手キャリアだけではなく、格安スマホも契約が難しくなるでしょう。
「TCA」という通信会社の事業者団体において、通信料金の延滞情報が共有されるためです。
スマホの通信料金を滞納し続けている限り情報が共有されるので、その間は延々と携帯電話が契約できない状態が続きます。
・携帯電話の会社内でのブラックリスト「社内ブラック」
たとえ延滞分を一括で支払ったとしても、同じ携帯電話会社で再び問題なく契約できるようになるとは限りません。
携帯電話会社は、自社内に「独自のブラックリスト」のようなものを作成しているケースが多いためです。一般的には「社内ブラック」ともいわれます。
携帯電話会社各社が社内で登録しているブラックリストは、一度登録されると半永久的に解除されません。
携帯電話料金を滞納したら、その後は同じ携帯電話会社での契約はできないと考えた方がよいでしょう。
携帯料金を滞納した際の流れ
携帯電話の料金には、月々の通信料と端末代が含まれます。滞納するとどのような流れで利用停止や強制解約、督促が行われるのかみていきましょう。
携帯電話会社から連絡がくる
支払い予定日までに請求額の引き落としや入金がないと、携帯電話各社から連絡がきます。入金の確認をとれなかった報告や、早期に入金するよう督促が封書などでくることが多いです。
携帯電話の利用を停止される
携帯料金を滞納して一定期間が経過すると、携帯電話の通信や通話を止められてしまいます。
利用停止になるまでの期間は携帯電話会社によって異なりますが、おおむね1か月程度です。
携帯電話を強制解約される
携帯電話の利用が停止されても、放置して滞納状態を継続していると、契約を強制解約されてしまいます。
滞納開始から強制解約されるまでの期間はおおむね2~3か月です。
強制解約されると電話、キャリアメール、SMS(ショートメール)の利用ができなくなります。
ただしWi-Fi環境があればアプリのダウンロード、利用、SNS、Webメールなどは基本的に利用できます。
未払いの通信料や残った端末代を一括請求される
携帯電話の契約が強制解約されても、未払いの債務が免除されるわけではありません。
未払いの通信料や残った端末代を一括払いするよう請求されます。
ほとんどの場合、支払いを一定の金額・一定の期間滞納すると、支払いを一定以上滞納すると「期限の利益」を失って分割払いできなくなるという契約になっているからです。
滞納した携帯料金を請求されるときには「遅延損害金」が加算されます。遅延損害金とは、本来支払わなければならない支払いが遅れたときにプラスされる延滞金です。
携帯料金の中でも「通信料金」にかかる遅延損害金の年率はおおむね14.5%で、「端末代」にかかる遅延損害金の年率は6%ほどです。
延滞日数に応じて計算されるので、支払いが遅れれば遅れるほどどんどん遅延損害金が高額になっていきます。
債権回収会社からの取立てがくる
携帯会社からの支払い請求を無視していると、携帯料金の請求権が債権回収会社に譲渡されたり回収委託されたりするおそれがあります。
債権回収会社は債権回収のプロなので、通信会社よりも激しい取立てを行うケースが多数です。ときには訴訟や支払督促を申し立てられて、給料や預貯金を差し押さえられるおそれもあります。
滞納した携帯料金の支払い方法
携帯料金を滞納したまま放置すると大変なリスクが発生します。なるべく早く滞納分を支払いましょう。
滞納した携帯料金の支払い方法をご紹介します。
・自動振替
滞納回数が1回だけ(初回の滞納)の場合、自動振替できるケースが多数です。
口座振替やクレジットカード払いにしていると、次回の振替日または指定された振替日に再度引き落としが行われるので、残高を入れておけば滞納状態を解消できます。
・支払い用紙で払う
2回分以上滞納している場合などは、自動振替できなくなる可能性が高いです。口座振替やクレジットカードを利用せず、直接払い方式にしている方も自動振替はできません。
携帯電話会社から支払い用紙を送ってもらい、コンビニなどで支払いましょう。
・店舗の窓口で支払う
ドコモやau、ソフトバンク、Y!mobileなど、店舗のある会社であれば、その店舗へ行けば窓口で支払いができます。
・店舗がない場合の対処方法
格安スマホでは、実際の店舗がない会社が多数です。
窓口がない場合、アプリやサイトで「滞納した場合の対処方法」を確認したり、ヘルプコーナーやお問い合わせフォーム、電話などで支払い方法を問い合わせましょう。
滞納した日数分の遅延損害金が加算されて、支払金額が高額になるため、早めに対応することをおすすめします。
一括請求がきた!滞納した携帯料金の分割払いは可能?
長期間滞納して一括払いの請求がきているという状態になると、携帯各社が分割払いの交渉に応じてくれる可能性が極めて低くなります。
強制解約されて一括請求された後、支払い方法を分割払いにするには、債務整理以外の方法はかなり難しいと考えられます。
長期滞納した携帯料金を支払えない場合、債務整理を検討しよう
携帯電話代を長期滞納して強制解約になった場合、分割交渉に応じてもらえる可能性はほとんどありません。
一括請求をされたり訴訟を起こされたりして困っている場合は、債務整理を検討しましょう。
任意整理で解決する方法
携帯料金や端末代を滞納した場合でも、任意整理で解決できる可能性があります。
任意整理に成功すれば、遅延損害金や将来利息をカットもしくは大幅減額してもらい、3~5年での分割払いが見込めます。
個人再生や自己破産で解決する方法
携帯料金の他にクレジットや消費者金融などの借金があり、支払いが苦しいなら個人再生や自己破産も検討しましょう。
個人再生が認められると、基本的には、携帯電話代を含めたすべての借金を5分の1から10分の1程度にまで減額してもらえます。
住宅ローン返済中の方の場合、「住宅ローン特則」を適用すれば、家を残して借金だけ減額できる可能性があります。
自己破産をすると、携帯料金やクレジットカード・家賃などの未払い分、銀行ローン、消費者金融などのほとんどすべての負債を免除してもらえます。携帯電話会社間で共有される情報も更新され、早めにスマホなどの契約ができるようになるメリットもあります。
ただし自己破産をすると、生活に必要な最低限の財産以外は、原則として、裁判所に提出する必要があります。そのため、ある程度の財産がある場合は、破産をするべきか否か、慎重に検討した方が良いでしょう。
債務整理の方法に迷ったら、弁護士に相談してみましょう。ご状況に応じた解決方法を一緒に考えてもらえます。
まとめ
スマホの通信料金や端末代を払わないまま放置していると、利用停止、強制解約されるだけではなく、ブラックリスト状態になるリスクも発生します。放置せずに早めに支払うか、どうしても支払えない場合には債務整理を検討しましょう。
困ったときには弁護士が対処方法をアドバイスしますし、各種債務整理の手続きも代行いたします。まずは一度、債務整理に積極的に取り組んでいる弁護士にお気軽にご相談ください。