300万円もの借金を抱えていると、毎月の返済額が大きくなり日常生活に支障をきたしてしまう方も少なくないはずです。
月々の返済額を減らし、ゆとりを持って返済を進めたいと感じている方には、任意整理がおすすめです。
今回は、300万円の借金を任意整理すると月々の返済額はどのくらいになるのか、シミュレーションを交えて解説します。
任意整理をする際の注意点や任意整理以外の方法が適している方の特徴も紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。
監修
弁護士法人サンク総合法律事務所
弁護士 町田 麻美
借金300万を任意整理すると最大で100万円以上の利息の減額が可能
任意整理とは、お金を貸している側である債権者と交渉し、借金の利息の支払い免除または減額、3~5年での分割払いを認めてもらうための手続きです。
任意整理が認められれば、毎月の返済額が減ることもあるので、借金を完済するまでの道筋が明確になるため、不安・負担を軽減しながら返済を進められます。
特に、利息の免除によって返済負担が軽減されるメリットは大きく、元本のみの返済にすることができれば、月々の返済額が数万円、返済総額にすると数十万円~数百万円も減額できる可能性があります。
どの程度、減額できるかは利息や返済期間によって変わるため、詳しい返済額は次の返済額シミュレーションで説明します。
借金300万円を任意整理する場合|月々の返済額シミュレーション
ここからは借金300万円を任意整理すると、返済額はどう変わるのかをシミュレーションしていきます。
今回は、1社から300万円(元本)を借金していると仮定し、借金300万円の上限金利である15%で借入をしていた場合、比較的金利の低い7.7%で借入をしていた場合、任意整理によって利息の支払いが免除された場合の3パターンの返済額の違いなどをシミュレーションします。
3年で返済するケース、5年で返済するケースに分けて紹介していきます。まずは3年で返済するケースです。
借金300万円を3年で返済するケース
| 金利・任意整理の有無 | 月々の返済額 | 総利息額 |
|---|---|---|
| 金利15%の場合 (任意整理なし) | 10万3,995円 | 74万3,842円 |
| 金利7.7%の場合 (任意整理なし) | 9万3,594円 | 36万9,378円 |
| 任意整理をした場合 | 8万3,333円 | なし |
※金額はおおよそです。端数等は含まずに表示しています。
任意整理をしたことで毎月の返済額が約1〜2万円減り、約37〜74万円程度の利息の支払いが免除されています。
借金300万円を5年で返済するケース
| 金利・任意整理の有無 | 月々の返済額 | 総利息額 |
|---|---|---|
| 金利15%の場合 (任意整理なし) | 7万1,369円 | 128万2,167円 |
| 金利7.7%の場合 (任意整理なし) | 6万399円 | 62万3,931円 |
| 任意整理をした場合 | 5万円 | なし |
※金額はおおよそです。端数等は含まずに表示しています。
月々の負担額の1〜2万円減額は3年の場合と同じですが、利息額の差が大きくなっています。
金利15%で任意整理をしなかった場合と比べると約130万円も負担額が減ったことになります。
任意整理をして利息の支払いが免除されると、このように金融会社に支払う金額を大きく減らすことができるのです。
なお、今回は返済期間を揃えてシミュレーションしていますが、任意整理前の返済期間が短かい場合は、任意整理前後で月々の返済額より大きく変わるでしょう。
ただ、上記の月々の負担額や金融会社に支払う金額の減額分については、任意整理受任後に発生する遅延損害金を考慮していない金額となっています。
任意整理受任後、弁護士費用を分割で積み立てて支払う場合、弁護士費用の積み立てが終了してから、債権者と交渉し、返済を開始するという流れになることが多いです。
その場合、任意整理受任後、債権者と交渉するまでの間、債権者への返済はストップすることになりますが、返済がストップしている間は遅延損害金が発生します。
債権者によっては、この遅延損害金も含めて分割で支払うよう求められることもあるので、その場合、月々の負担額や金融会社に支払う金額の減額分は上記とは異なることになります。
上記のシミュレーションの金額はあくまで参考にするようにしてください。
自動車ローンなど低金利の借金が中心だと返済額は変わりづらい
借金300万円を任意整理した場合のシミュレーションを紹介しましたが、たとえば自動車ローンのような利息が低い借金は、任意整理をしてもシミュレーションのような減額は期待できません。
自動車ローンの金利は1〜4%程度のため、借金の大半が自動車ローンだと任意整理をしても対してメリットは得られないでしょう。
借金が300万円のすべてが利息3%の自動車ローンの場合、任意整理せずに3年で完済する場合、月々の返済額は8万7,243円です。
一方、任意整理をした後の返済額は約8万3,000円で、わずか4,000円程度の減額にしかなりません。
借金300万を任意整理する際の注意点
300万円の借金を任意整理する際には、以下のような点に注意が必要です。
- 借金総額が年収の3分の1を超えている場合は迅速に対応する
- 債権者と自分で直接交渉するよりも弁護士に相談
ここでは、上記の内容について詳しく解説します。
借金を抱えているケースによっては任意整理が適していない場合もあるため、任意整理を検討している方は参考にしてください。
借金総額が年収の3分の1を超えている場合は迅速に対応
借金が年収の3分の1を超えている場合、自力での返済はかなり厳しいといえます。
2010年の改正貸金業法で施行された総量規制によって、年収の3分の1以上の借入は原則禁止となり、返済によって破産に陥らないための仕組みが出来上がりました。
このことから、借金が年収の3分の1を超えているか否かが自力での借金返済のボーダーラインとなり、3分の1以上の借金は何らかの対策が必要であると言えるのです。
借金300万円が年収の3分の1になるのは、年収が900万円のケースです。
つまり、年収600〜800万円程度を得ている人であっても、借金300万円の返済はかなり苦しいものになると予想されます。
「稼ぎはそれなりにあるから大丈夫だろう」と思って自力での返済を選ぶと、返済が行き詰まり、元本がまったく減らないという事態にもなりかねないため、借金が年収の3分の1以上になっているなら、早めに弁護士に相談しましょう。
債権者と自分で直接交渉するよりも弁護士に相談
任意整理は債務者が債権者と直接交渉して進めることも可能ですが、ご自身で行うのは多大な労力を必要とします。
法律の知識を必要とする場面も多く、債務整理に関する知識や交渉の経験がない方がご自身で対応すると、債権者に任意整理を認めてもらえないことや、思ったように利息を免除してもらえないことなどが予想されます。
債権者と直接交渉することが難しいと感じたら、弁護士を通じて任意整理した方が確実です。
多くの場合、弁護士に依頼すると着手金や成功報酬が債権者数などに応じて発生しますが、その負担があっても、弁護士に依頼した方がメリットは大きいと言えるでしょう。
借金300万円を任意整理以外の方法で解決すべき人の特徴
返済の負担を軽減できる任意整理ですが、以下のような方は任意整理以外の方法が適している可能性があります。
- 任意整理で完済を目指せるだけの安定収入がない
- 債権者との交渉が難航している
上記のいずれかに該当する方は、以下の解説を参考に別の方法も検討してみましょう。
任意整理で完済を目指せるだけの安定収入がない
任意整理は3~5年の長期に渡って借金を返済する必要があるため、その間は安定した収入を得る必要があります。
毎月安定した収入がない方や、安定収入があるものの年収の3分の1以上の借金があるという方は、任意整理での解決を目指して返済を開始しても、生活が困窮する結果になってしまうこともあるでしょう。
途中で返済が困難になった場合、差し押さえや一括請求を受けるといった状況に陥ることも考えられます。
利息の免除や支払い期間の調整を行ったとしても、返済が難しいのであれば、任意整理以外の債務整理を検討した方が良いでしょう。
元本が300万円の場合、利息を免除してもらい、3年で完済するなら毎月約8万3,000円、5年であれば毎月5万円の返済が必要となります。
現時点で、任意整理後にこの金額を継続して支払うのが無理であれば、個人再生や自己破産の方が適しているかもしれません。
債権者との交渉が難航している
借金の返済を一度もしていない・任意整理を2回以上しているといった方は、債権者との交渉が難航する可能性があります。
債権者側からすると利息から利益を得る形となっているため、任意整理で利息をカットされるのは大きな損失です。
そのため、返済の実績がなく信用に欠ける方や複数回任意整理して利益を得られていない方からの任意整理には応じないことがあります。
交渉を成立させるためには、債権者に納得してもらえるような具体的な説明が必要です。債務者が抱えている状況を弁護士などに正直に伝え、どのような方法で進めると良いか、共に対策を練るようにしましょう。
まとめ
借金の元本が300万円ある中で任意整理をして利息の支払いが免除されれば、返済期間が3年であれば約8.3万円、5年の場合は5万円にまで月々の返済額を減らすことができます。
これにより毎月の負担額が減りますし、返済総額も任意整理をしなかった場合と比較して数十万円から多い場合は100万円以上変わってくる可能性があります。(ただ、受任後和解までに発生する遅延損害金を考慮すると、月々の負担額や金融会社に支払う金額の減額分は上記の表とは異なることになりますのでご注意ください)
借金300万円は、平均的な年収がある方であっても簡単に返済できる金額ではありません。
既に返済が苦しくなっているなら、これ以上事態を悪化させてしまう前に弁護士に相談をして任意整理、場合によっては自己破産や個人再生をした方が良いでしょう。
弁護士法人サンク総合法律事務所では、任意整理の無料相談を実施しています。
任意整理をするメリットなどを、詳細にお伝えすることができますので、任意整理を検討されている方は、一度当事務所までお問い合わせください。