18歳・19歳は親の同意なしに借金できる?新成人の借入リスクを解説

2022年4月より、成人の年齢が18歳に引き下げられました。これにより、これまで制限があった18歳・19歳も親の同意なくさまざまな契約が可能になりました。

それと同時に、今後借金トラブルなどが増えることが予想されます。

今回は、新成人(18歳・19歳)は親の同意なしに借金の契約ができるのかや、未成年者が借入した場合の返済義務や対処法について解説します。

この記事の要約
  • 未成年者は、基本的に親の同意がなければ借入できず、同意なしに借り入れた場合取り消しができる(成年と偽って借りた場合を除く)
  • 親が同意して子供が借入した場合でも、親にはその返済義務はない(保証人になっている場合を除く)
  • 成人年齢の引き下げにより、消費者金融などによっては、収入を確認できる書類などの審査要件を満たせば18歳から貸付をするようになった。ただ大半の金融機関が貸付対象年齢の引き下げを見送っている
  • 10代や20代の若者は、まだ生活基盤や金銭リテラシーが不十分である場合が多いため、安易に借入をしないよう注意する
  • 借金返済できず困っている場合は、債務整理を検討する

監修

弁護士法人サンク総合法律事務所
弁護士 淺海 菜保子

弁護士法人サンク総合法律事務所 淺海 菜保子

未成年者は基本的に親の同意がなければ借入ができない

民法では、未成年者が契約をする場合は、原則として両親(法定代理人)の同意が必要となります。

未成年者個人が親の承諾なしにした借入は、親が後から取り消しをすることが可能です。

親が取り消した場合は、契約ははじめからなかったことになりますので、契約に従った返済はしなくて良いことになります。

※ただし、未成年でも、会社経営などをしていれば、親の同意なしにさまざまな契約ができる場合があります。

未成年者の借金でも取り消せない場合がある?

先述したとおり、親の同意なしに未成年者が単独で借入をした場合、基本的にその契約は取り消しができます。

しかし、未成年者が成年であると偽って契約をした場合、その契約を取り消すことはできません(民法第21条)。

契約時に自分以外の身分証を提示したり、自分の身分証を偽造する行為は詐術行為となりますので、絶対に避けましょう。

親が借金返済義務を負う場合とは?

未成年者が借入の契約をする際に親が同意をした場合、親にも返済の義務があるのでしょうか?

基本的には、子供がした借金の返済義務を親が負うことはありません

親が承諾していた借入であっても、それは未成年者が支払う前提での承諾であり、親自身が肩代わりするという意味にはならないのです。

しかし、親が子供の借入の連帯保証人(保証人)になっている場合には、子供がその借入を支払えなくなった場合に代わりに返済する義務があります

金融機関は18歳・19歳にも親の同意なしに貸付をするのか

2022年に、成人の年齢が18歳に引き下げられました。

飲酒や喫煙は、これまで通り20歳にならないとできませんが、ローンやクレジットカードの契約は親の同意がなくても、ルール上、18歳になればできるようになりました。
(参考:18歳から“大人”に!成年年齢引下げで変わること、変わらないこと。 | 暮らしに役立つ情報 | 政府広報オンライン

「何歳から貸付を行うか」については、金融機関が各々設定しており、これまで消費者金融などは20歳以上を貸付対象にしてきました

今回の成人年齢引き下げにより、金融機関の貸付対象年齢も引き下げになったのでしょうか?

この件について、大手消費者金融など金融機関によっては、収入を確認できる書類などの審査要件を満たせば、18歳から貸付をするようになりました
(参考:【アコム公式FAQ】新成年(18歳、19歳)でも契約はできますか?

ただし、銀行など多くの金融機関では貸付対象年齢の引き下げを行わなかったり、貸付対象年齢の引き下げを行ったとしても、より厳しい返済能力の審査が行われると考えられます。

実際、日本貸金業協会の2022年4月以降の貸付方針に関する調査では、2022年4月以降、18歳・19歳の一般の顧客に対して「貸付の対象にしない」としている貸金業者は全体の64.0%、18歳・19歳の学生の顧客に対して「貸付の対象にしない」としている貸金業者は82.8%でした。

(参考:【貸金業関連資料】調査・分析レポート等(令和3年度)
「若年層の顧客に対する貸付方針・取組状況等に関する調査結果」令和4年2月16日
1. 若年層の顧客への貸付方針と自主的な取組 (1) 2022年4月以降の貸付方針)

若い世代が借金をするリスク

もっとも、審査が厳しいとは言え、18歳や19歳、また、学生であっても、借入をすることができる業者も皆無ではありません。

たとえば学生ローンやクレジットカードのキャッシング機能などは、比較的審査に通りやすいと言われています。

しかし、成人の年齢が引き下げられたとしても、実際に、18歳や19歳、また、20代前半の若者は、一般的にはまだ生活基盤が不安定であったり、金銭リテラシーが不十分である場合が多いでしょう。

そのような状況で安易に借入を行うと、「借りすぎてしまって返せなくなる」という状態に陥るリスクが発生します。

特に学生ローンや消費者金融・クレジットカードキャッシングなど、審査に通りやすいほど利率が高い傾向にあるため、「なかなか借金が減らない」「返済生活が苦しく、借金がどんどん増えてしまう」という悪循環になるおそれがあるのです。

また、資金力のない若者にキャッシングをさせてまでサービスや物品を販売しようとする悪質な業者や、「審査が簡単」などと謳い暴利で貸し付けをし、人権を無視した取り立てを行う闇金業者などもいます。

新成人や20代前半などの若い世代の方は特に、借入をする前に家族など周りの方に相談をすることをおすすめします。そして、怪しいと思った場合には、そういった業者の勧誘を受けても、きっぱりと断るようにしましょう。

怪しい業者からの勧誘に困っている場合は、消費生活センターの消費者ホットライン「188」を活用することもおすすめします
(参考:全国の消費生活センター等ー独立行政法人 国民生活センター)

新成人や未成年者は安易に借金をしないようにしよう

10代でどうしても借入をしなければならないケースはそうそう多くありません。

それでも、どうしてもお金が工面できない場合には、まずはご家族や、身近な大人に相談してみましょう。

また、学費の工面が難しい場合には、奨学金の申請についても検討してみましょう。もちろん、奨学金も借入になるため、一概にお勧めすることはできません。

ただ、奨学金は一般的に、無利息や低利息で借りられて、収入が安定してから返済が開始になるケースがほとんどです。そのため、比較的、他の借入よりも負担が少なくなる可能性が見込まれます。

また、自分自身だけではなく、家族全体の生活が苦しい状況であれば、生活保護を受給するという選択肢もあります。お住まいの近くの福祉事務所に相談してみましょう。

もし、借入をしたい理由が、「浪費するためのお金が欲しい」というものであれば、決して借入を行うべきではありません。

借入を行えば、その返済はいずれ、必ずしなくてはいけません。金融機関からの借入には利息がつきますが、ほとんどの場合は高利率で、借りたお金よりも利息の総額の方が大きくなる場合もあります。そのお金を返済するのは、他でもない、将来の自分自身です。

若いころに、ただ、何となく行った借入や、クレジットカードのリボ払いがきっかけで、その後、何十年にもわたって借金を返済することになってしまう方も多くいるのです。

返済を数回延滞すると、ブラックリスト状態になりローンやクレジットカードなどの審査に何年も通りづらくなるおそれもあります。

そのような状態にならないためにも、決して、安易に借入を行ってはいけません

「欲しいものがある」「お小遣いを増やしたい」という場合は、まずは自身の収支を見直して、身近なところで、節約などができないか、考えてみましょう。あるいは、仕事の時間を増やしたり、アルバイトを行うなど、収入を増やすことを検討しても良いかもしれません。

あくまで借入は、最終手段として考え、まずは手元のお金でやりくりする習慣を身につけましょう。

若い世代で借金返済に困っている場合の対処法

10代や20代など、若い年代のうちに借入を行ってしまうと、収入が不安定で返済できなくなるケースが多くあります。

「毎月の返済が苦しい」「返済に終わりが見えない」などのお悩みがあり、ご家族などに相談できない・相談しても解決の目処が立たないという場合は、債務整理をするのも解決方法のひとつです。

債務整理は、借金を減額・免除することができる手続きの総称です。債務整理には、主に任意整理・個人再生・自己破産の3種類があります。

このうち、自分自身の具体的な状況に最適な手続きを選択することによって、毎月の返済を無理のない形に変更したり、完済までのゴールを明確にしたりすることができます

また、どうしても返済することが難しい状況であれば、借金そのものを0にする効果も見込めます。

これまでの返済状況や、全体の借入の金額など、それぞれの具体的なケースで、選択できる手続きや、選択できない手続きもあります。そのため、借金の返済に困っている場合には、まずは弁護士などの専門家に無料相談してみることをおすすめします。

特に、返済を滞納している場合は、早めに相談をして解決方法を見つけましょう。

まとめ

未成年者は、基本的に親の同意がなければ借入できず、同意なしに借り入れた場合は取り消しができます(成年と偽って借りた場合を除く)。

親が同意して子供が借入した場合でも、親にはその返済義務はありません(保証人になっている場合を除く)。

成人年齢の引き下げにより、消費者金融などによっては、収入を確認できる書類などの審査要件を満たせば18歳から貸付をするようになりました。ただ、大半の金融機関が貸付対象年齢の引き下げを見送っています。

10代や20代の若い年代は、まだ生活基盤や金融リテラシーが不十分である場合が多いため、安易に借入をしないよう注意しましょう。

借金を返済できず困っている場合は、債務整理を検討しましょう。まずは、借金問題に詳しい弁護士に無料相談してみることをおすすめします。

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