自己破産の反省文の書き方を解説!反省文を求められるケースや文例

自己破産の際「反省文」の提出を求められるケースがあることがあります。

反省文はすべての申立人が用意する書類ではないため、詳しい情報を知らない方も多いかもしれません。

急に反省文を書くように言われても、何を書けばよいのか迷ってしまうのは当然です。

本記事では、反省文を書く理由や記載すべき内容、例文まで詳しくまとめています。

自己破産における正しい反省文の書き方を知りたい方は、ぜひ参考にしてください。

監修

弁護士法人サンク総合法律事務所
弁護士 淺海 菜保子

弁護士法人サンク総合法律事務所 淺海 菜保子

自己破産の手続きに必要な反省文とは

自己破産の際、裁判所から「反省文」を書くよう指示されることがあります。

反省文は自己破産の際に必ず提出する必要はなく、裁判所から提出を求められた場合のみ用意します。

裁判所や破産管財人が「詳しい背景が分からないと免責の可否を判断できない」と考えた場合に必要になる書類だと認識しておいてください。

反省文に公的な書式はないため、必要事項を盛り込みつつ自身の言葉で記載しなくてはなりません。

具体的な内容や書き方については後述します。

反省文と陳述書の違い

反省文と似たものに「陳述書(ちんじゅつしょ)」があります。

陳述書とは「自分の認識している事実や体験したことを、主観的に記載した書類」のことです。

反省文は必要な方だけに提出が求められますが、陳述書は自己破産を申請する際に必ず提出する書類となっています。

反省文は誠意を見せるために手書きで書くことが推奨されているのに対し、陳述書はパソコンで作成しても問題ありません。

裁判所のホームページにある陳述書のフォーマットを参考にすることも可能です。

陳述書には主に以下の内容を記載します。

  • 現在の家族や住まいについて
  • 経歴について
  • 現在の収入(生活費の詳細について)
  • 借金の原因や内容
  • 負債の状況
  • 過去の破産・免責について
  • 訴訟や差し押さえの有無について
  • その他、特に述べたいこと

自己破産で反省文を求められるケース

前述のとおり、反省文は裁判所から求められた場合のみ提出します。

提出を求められるケースとして多いのが、「免責不許可事由」に当てはまる場合です。

免責不許可事由とは、免責が認められない理由のことで、免責不許可事由に該当すると、自己破産できない可能性があります。

免責不許可事由は、以下のようなケースが該当します。

  • 過度な浪費やギャンブルで借金を作った
  • 相手を騙して信用取引を行った
  • 特定の債権者だけを優先して返済した
  • 業務帳簿を隠滅するなどした
  • 不当に財産を減少させる行為をした

これらの行為を許してもらうために作成するのが反省文です。

なぜこのような状況になってしまったかという理由や反省の気持ちを伝えて、裁判所や破産管財人の理解を求めます。

反省文を作成することで、上記のような免責不許可事由に該当する場合であっても、裁判所の判断で免責が認められる可能性があるのです(これを
「裁量免責」と言います)。

自己破産の反省文を書く際の3つのポイント

自己破産で作成する反省文の内容に決まりはありませんが、適切な文章でなければ裁量免責をしてもらえない可能性があります。

気持ちを込めて書くことはもちろんですが、いくつかのポイントを把握しておくとさらによいでしょう。

以下では、反省文を書く際の3つのポイントを解説します。

1.借金の経緯を正確に振り返る

反省文を書く際は、最初にこれまでの経緯を振り返ってみてください。

以下の内容を書き出して情報を整理すると良いでしょう。

  • 借金の理由
  • 借入の時期
  • 借入金額
  • 現在までの返済状況
  • 周囲に与えた影響

過去の行動について客観的に書くことで、状況を正しく把握できているという信頼性に繋がりやすくなります。

また、自分にとって都合の悪いことであっても包み隠さず記載することで、真摯に反省していることを示せます。

正確な情報であることが大切なため、過去の借入状況が分かる資料を準備しておきましょう。

2.今後の生活をどのように改善するか考える

過去の借入や現在の返済状況について把握できたら、次は未来の展望について考えます。

借金の反省から学んだことや将来の改善策を具体的に考え、これらを文章にまとめましょう。

自分の「苦手・弱い」ポイントを知ることで、改善すべき箇所も見えてくるはずです。

たとえば、ギャンブルが原因で自己破産を申し立てしている人にとっては「家計簿をつけること」よりも「依存症治療」のほうが優先順位の高い可能性があります。

原因と対策を正しく認識できなければ、同じことを繰り返してしまうかもしれません。

根本的な原因を解決するための対策を考え、今後改善できる環境を整えることが大切です。対策や心構えを、できるだけ具体的に書きましょう。

3.構成を考えた上で自筆する

現状の把握や今後の対策について確認できたら、反省文全体の構成を考えます。

理論的で分かりやすい流れになるよう意識してみてください。

真摯な気持ちや誠実さが伝わりやすくなるため、反省文は手書きが望ましいとされています。

誤字や言い回しなどに注意しながら、読みやすい文字の大きさで書きましょう。

字そのものの美しさよりも、一字ずつ丁寧に書くことが重要です。

反省文の書式は自由ですが「日付・氏名・署名」など、基本的な情報はかならず記載します。

文字数は、1,000~2,000字程度を目安にするとよいでしょう。

自己破産の反省文の書き方サンプル

ここでは、自己破産の際に書く反省文の例文を紹介します。

まずは冒頭で、自分の氏名と謝罪の気持ちを簡潔に述べましょう。

その後、以下のように借金の経緯や理由、改善方法などを記載していきます。

【例文】
私、〇〇〇〇は多額の借り入れをしたものの、返済することができなくなってしまい、自己破産の申し立てをすることになりました。
自分勝手な行動で多くの方にご迷惑をおかけすることになり、反省しています。
誠に申し訳ございません。

借金の経緯や理由の書き方

借金の経緯や理由は、借金をしてしまった背景にはさまざまな原因があったと思いますが、あまり言い訳がましくならないように記載することがポイントです。

【例文】
まずは借金の経緯について簡単に説明します。
3年ほど前からパチンコにのめり込んでしまい、いつしか、自分の給与をはるかに上回る金額を借りるようになってしまいました。
パチンコをするお金が足りなくなるたび、借り入れを繰り返した結果、最終的に500万円以上の負債になっていました。
最初は手持ちのお金の範囲で楽しんでいたのですが、いつからか給与を超える金額をギャンブルに使うようになっていました。
ビギナーズラックで大金が手に入った際の記憶が忘れられず「勝てばすぐに返せる」と、甘い考えを持っていたのが原因です。
気づいたときにはパチンコ依存症のような状態で、仕事にも身が入らなくなってしまいました。
毎月の返済額が増え、返済の遅れが出るようになり、会社にも催促の連絡が来るようになりました。
悪循環だと分かっていながらも、別の借り入れをして返済にあてるようになり、まさに自転車操業でした。
精神的に追い詰められて体調を崩し、仕事にも行けなくなってしまい、現在は収入がほとんどない状態です。
借金を返済する方法を模索していたのですが、どうしても難しいと判断し、今回、自己破産申し立ての決断をしました。

今後の生活の改善方法の書き方

経緯や原因を述べたあと、今後の生活を改善する意思表明をします。

ここでは、実際に思っていること、感じていることなどを素直に書きます。

あまりにも理想が高いことを書いてしまうと「綺麗ごと」だと捉えられてしまうため、本当に実現できる内容を記載しましょう。

反省文の最後は、再び謝罪の言葉を添えるようにしてください。

【例文】
今後については、ギャンブル依存から抜け出すために医療機関で適切な治療を受ける予定です。
体調を整えて職場復帰し、自活できるようにしていきたいと考えています。
お金については、家族の協力も得ながら、決してギャンブルに使うことのないように管理していく予定です。
借り入れはせずに、身の丈に合う生活をするように気持ちを改めます。
債権者の方や関係者の方には、本当にご迷惑をおかけしました。
今回のことを無駄にしないよう、心から反省して今後の生活をしていきたいと思います。
このたびは、申し訳ございませんでした。

自己破産の反省文を作成する際の3つの注意点

反省文を作成する際は、ここまで紹介したこと以外にもいくつかの注意点があります。

反省文の内容によって免責の可否が決まるため、しっかり時間をかけて取り組みましょう。

1.嘘を書かない

大前提として、反省文に嘘を書かないようにしてください。

反省文には誠実さが求められるため、事実と異なる内容を書くことは避けるべきです。

免責を認めて欲しい気持ちが強すぎて同情を買うような嘘を書いたり、実際はできていないことを「改善した」と記載したりすることはやめましょう。

嘘だと発覚した場合は、免責が認められなくなるおそれがあります。

良いことも悪いことも含めて、真実を書くことが大切です。

2.反省の気持ちが伝わるように書く

反省文の大事なポイントは、真摯な気持ちを伝えることです。

過去の行動や状況に対する反省や後悔の気持ちが伝わるような言葉を選びましょう。

言葉だけで自分の想いを伝えるのは難しい作業です。

できれば何度も書き直して、読みやすく伝わりやすい文章を考えてください。

うまく伝わるか確認するために、下書きを第三者に読んでもらうこともおすすめです。

誠実な反省の姿勢を示すことで、破産手続きが円滑に進む可能性が高くなるでしょう。

3.書式の指定がある場合は活用した上で丁寧に書く

裁判所によっては書式の指定があるため、提出先のルールを必ず確認してください。

なお、反省文の提出先は破産申立てをする裁判所であり、これは通常「現住所を管轄する裁判所」になります。

指定の書式がない場合は自由なフォーマットで構いませんが、読みやすさを重視した書面になるよう配慮しましょう。

一度で完璧な反省文を完成させることは難しいため、時間をかけて取り組んでみてください。

自己破産の反省文の作成を含め手続きに不安があれば専門家に相談

自己破産手続きや反省文の作成に不安がある場合は、専門家に相談するとよいでしょう。

弁護士などのアドバイスを受ければ、スムーズに手続きが行えます。

自己破産の際は、反省文を始めいくつもの書類が必要になります。

裁判所とのやりとりも発生するため、弁護士を通さずにひとりで自己破産を行うことは現実的ではありません。

自己破産を検討している方は、相談できる弁護士事務所を探してみましょう。

着手前の相談は無料で行ってくれることが多いため、まずは一度問い合わせしてみてください。

まとめ

自己破産の手続きにおいて、反省文の作成は必須ではありません。

免責不許可事由に該当する場合に反省文の提出が求められるため、免責不許可事由に当てはまることで借金をしてしまった方は反省文を書くつもりで心の準備をしておきましょう。

反省文を書く際には、全体の構成や心構えなどいくつか注意しておくべき点があります。

適当な反省文にしてしまうと、裁判所や破産管財人に悪印象を与えてしまうかもしれません。

反省文の作成も、借金問題を解決し、同じ間違いを二度と起こさないために必要な作業です。

反省文の作成を通じて自己破産せざるを得ないほど借金を抱えてしまった原因と改善策をしっかりと考え、自己破産後の生活に活かしていきましょう。

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