【債務整理の費用相場は?】お金がなくても債務整理できる方法

借金問題を解決したい場合、債務整理を検討する方は多いでしょう。

ただ、借金問題を債務整理で解決できるとしても、費用がかかりすぎては意味がないですよね。また、債務整理をしたくても手元にお金がなくお悩みの方もいるのではないでしょうか。

実は、弁護士事務所に債務整理を依頼する場合、まとまったお金を手元に準備しておく必要はなく、あとから分割で支払うことも可能なのです。

今回は、債務整理の種類別に、任意整理、個人再生、自己破産それぞれにかかる費用の一般的な相場と、依頼時にお金がなくても債務整理ができる仕組みを解説します。

この記事の要約

  • まとまったお金がなくても債務整理はできる
  • 債務整理を弁護士に依頼した時点で督促がストップ
  • 手続き中の3〜6ヶ月の間に費用の積立てもできる場合がある
  • 必ずしも費用面だけで手続きを選ぶのではなく、自分に一番あった債務整理の手続きを選ぶ

監修

弁護士法人サンク総合法律事務所
弁護士 淺海 菜保子

弁護士法人サンク総合法律事務所 淺海 菜保子

債務整理費用の相場

任意整理個人再生自己破産過払金請求
相談料無料無料無料無料
着手金1~10万円/1社約50~60万円約40万円
報酬金約1~2万円/1社約10万円約10万円約2万円
事務手数料(実費)0~3万円
※別途負担なしの場合もあり
2~3万円2~3万円
(管財予納金を除く)
0~3万円
※別途負担なしの場合もあり
減額報酬10%
過払い報酬20~25%20~25%

※上記の表の数字は、あくまで一つの目安となります。実際の費用は個々の事情や、事務所によって異なるものとなりますので、依頼を検討している事務所に問い合わせてみましょう。
※自己破産で管財事件となった場合は、別途、予納金が必要となります。(裁判所によって異なりますが、20万円程度を目安として考えましょう。)

債務整理を弁護士事務所に依頼した場合にかかる費用は、個々の事情や、選択する手続き内容によって様々。10万円ほどでできる手続きもあれば、50~90万円ほどかかる手続きもあります。

債務整理の中で、おそらく、最も利用しやすいといえる「任意整理」の手続きが、最も費用総額が少なくなる場合が多いです。

債権者(借入先)の数が多いほど費用は増加してしまう傾向にありますが、債権者(借入先)が1社だと2〜12万円程度が相場と考えられます。

一般的に、任意整理の費用が自己破産や個人再生よりも安いのは、裁判所を通すことなく手続きができるためです。

債務整理の種類ごとの費用を詳しく解説

債務整理の種類ごとに費用をご説明します。

任意整理にかかる費用

任意整理にかかる全体の費用相場は、債権者1社ごとに2~12万円程度です(別途、1委任契約につき数万円かかることもあります)。

依頼する弁護士や事務所によって費用体系は異なりますし、一人一人の個々の事情によっても、費用額は異なります。

そのため、以下の内訳の数字も一つの例として考えてみましょう。

また、最近では着手金・報酬金及び事務手数料を一括していくら、と設定している事務所もあります。

費用の内訳金額の目安費用の内容
弁護士に法律相談をする費用0円弁護士に法律相談をする報酬。
相談内容によっても異なりますが、純粋な任意整理の相談のみでは、費用は無料とする事務所も増えています。
着手金1委任契約につき4万円+1社あたり1万円〜10万円程度成功してもしなくても、受任(着手)する際に発生する報酬。
報酬金
解決報酬金1~2万円(1社あたり)事件が解決したこと自体により発生する報酬金。
減額報酬金減額できた総額の10%程度業者が主張する債権額と実際に支払うことになった金額との差額(減額分)をもとに算定する報酬金
過払い報酬金過払金の20~25%程度回収した過払い金額をもとに算定する報酬金。
事務処理の費用0円〜1万円程度成功・不成功にかかわらず発生する、事務処理の費用。別途負担を求められないところもあります。

自己破産にかかる費用

自己破産にかかる全体の費用相場は費用の相場は以下のとおりです。ただ、事務所によって費用の設定は様々です。

費用の内訳金額の目安費用の内容
弁護士に支払う着手金・報酬金合計で50万円程度着手金は弁護士に事件を依頼した段階で支払うもので、報酬金は事件が成功した場合に支払うもの。
裁判所に支払う実費2万円〜3万円程度裁判所に支払う費用等。管財事件の場合、別途予納金約20万円(裁判所によって異なります)が必要。

裁判所に支払う費用(実費)の内訳は以下の通りです。

郵便代:3,000円〜
収入印紙代:1,500円×借入先件数
予納金(管財人への報酬を含む):100,000〜500,000円程度

自己破産の費用を最も大きく左右するのが、予納金です。

予納金とは自己破産の手続きをするにあたって、申立人が裁判所に支払うお金のことで、自己破産の種類によって、その数字が大きく異なるのが特徴です。

自己破産には、財産の換価処分手続きなどが必要な『管財事件』と、管財事件と比較して簡易な手続きである『同時廃止事件』の2種類があります。管財事件になった場合、基本的に管財人が選任されます。

個人再生にかかる費用

個人再生にかかる全体の費用の相場は以下のとおりです。ただ、事務所によって費用の設定は様々です。

【弁護士費用相場の内訳(相場)】

  • 相談料…無料〜30分5,000円程度
  • 着手金…50~60万円程度
  • 報酬金…10万円程度

【裁判所に支払う実費の内訳(相場)】

  • 申立手数料 1万円(東京の場合)
  • 予納郵券 2,196円~ (東京の場合。債権者数によって異なる。)
  • 官報公告費用 13,744円(東京の場合)
  • 分割予納金(個人再生委員の報酬)15万円(東京の場合)

自分の場合はどの債務整理が最適なのか、費用はいくらになるのか、まずは法律事務所に無料相談をして判断してもらうのが最善です。

住宅ローンの支払いを継続し住宅を維持しながらも、借金を減額してもらう『住宅ローン特則(住宅資金特別条項)』を利用すると、費用は比較的高額になります。

つまり、個人再生で借金を減額しながらも残したい財産がある場合などは、費用が高額になる傾向があります。

まとまったお金がなくても債務整理する方法

債務整理を弁護士に依頼した場合、依頼者の負担は、これまでに比べて大きく軽減するでしょう。

そして、借金問題を確実に解決できる可能性は大きく高まります。
ただ、月々の返済も苦しい状況の中で、「自分に債務整理の費用が払えるのか?」と心配になる方も多いでしょう。

しかし、現在まとまったお金がなくても債務整理することは可能です。

債務整理費用を分割払いにする

多くの弁護士事務所では、費用の分割払いが可能です。

弁護士に債務整理を依頼すると、弁護士から債権者に対して「受任通知」が発送されます。

受任通知を受け取った債権者は、取り立てを停止することになっているため、この時点で債権者からの督促を止めることが可能です。

つまり、債務整理の手続きを依頼してから、手続きが終了するまでは債権者への返済も一時的にストップされます。

法テラスを利用する

全く収入がなく自己破産を検討している場合は法テラスを利用することも可能です。

ただし、弁護士を選べない、時間がかかる、一定以下の収入でなければ利用できないなどの制限もあるのでご注意ください。

このように、手元にお金がない場合でも債務整理する方法はあります。

法テラスなどを通さずに弁護士に依頼する場合でも、弁護士側は依頼者が債務整理手続きの費用を払った上で、それでも依頼者にメリットがあると判断した場合にしか、債務整理の対応を受けることはありません。

もし費用面で不安がある場合は弁護士に無料相談してみることをおすすめします。

お金がなくても自分で債務整理をしないほうがいい理由

債務整理の手続きには、法律の専門的な知識が求められます。

また、実際に手続きをした経験がなければ、円滑に債務整理を進めることは困難でしょう。

仮に、弁護士に依頼せずに、自分だけで債権者と交渉してみようとしても、思うように交渉が進まない可能性は十分にあります。

その場合は、債権者からの取立ても止まらずにストレスが増し、心身にも負担がかかってしまうでしょう。

さらに、そのまま交渉がうまくいかなければ、債権者から訴訟を提起されることも考えられます。

もし、この段階で弁護士に債務整理を依頼した場合は、はじめの段階から依頼していた場合に比べて、債務整理費用が多くかかってしまうでしょう。

できるだけ速やかに、最終的な問題解決を目指すためには、早めに弁護士に依頼することが得策と考えられます。

債務整理費用を分割払いする場合の支払いスケジュール

弁護士に債務整理を依頼した場合、サンク総合法律事務所の場合は、着手金を含めた全ての費用の分割払いが可能です(債権者や滞納状況などにより、対応を急がなければならない場合などは除きます)。

任意整理は債権者と交渉して、利息などをカットもしくは大幅減額してもらい、元金のみもしくはそれに近い金額を3〜5年程度で分割払いする手続きです。

それでは、もし弁護士に任意整理を依頼した場合、どのようなスケジュールで費用を分割払いすることになるのか、ご説明していきます。

まず、依頼すると、依頼業者に対してこれまで行っていた返済をすべてストップします。そして、依頼業者からの督促も来なくなります。

そして、弁護士に依頼してから、債権者と交渉・和解を行い、和解に基づく金額の支払いを開始するまで、3~6か月ほどかかります。この間に、弁護士費用を分割して支払っていくことができます。
※事務所や状況によっては分割払いができないこともありえますので、ご注意ください。

ほとんどの場合、「次のお給料(依頼から1か月以内)が入ってから積み立てをスタート」などのように、配慮してもらえます。

そのため、一概に、依頼する時に、まとまった大きな金額を入金しなければいけないわけではありません。

もっとも、すでに支払いを滞納していて、裁判になっている場合など、早急な対応が必要な場合は例外となります。

どのような費用の積み立て方法が考えられるのか、個々のケースによって異なりますので、ご自身の場合はどうなるのか、弁護士に相談してみましょう。

自己破産・個人再生の場合も、半年〜10ヶ月ほどの期間で同じように弁護士費用を積み立て、その間に財産調査などが行われます。

ボーナス払いや、どちらにせよ引き上げになってしまう財産を換価して弁護士費用にあてる、といった方法も取れます。

積み立ての計画は弁護士とよく話し合って決めましょう。

債務整理の費用を安く抑える方法はあるの?

債務整理の費用を安くする方法を知りたい方も多いでしょう。

実は、弁護士費用の報酬金は日本弁護士連合会により上限が決まっています。

そのため、事務所によって弁護士報酬が大幅に安い・高いということは基本的にありません。

こちらを参考にし、もし相談した弁護士事務所の提示する費用が高すぎると感じる場合は、他の弁護士事務所も探してみましょう。
(参考:債務整理の弁護士報酬のルールについてー日本弁護士連合会

司法書士は弁護士より安いのか?

弁護士より司法書士の方が費用が安いと考えている方もおられるかもしれません。

たしかに司法書士の方が多少安いケースもありますが、ほとんど変わらないことも多々あります。

自己破産にかかる費用については、弁護士に依頼するか司法書士に依頼するかというよりも「事務所による違い」の方が大きいと言えます。

また、一概には言えませんが、管財事件では司法書士に依頼すると「予納金」が増額される可能性があるため、弁護士に依頼するより司法書士に依頼する方がむしろ費用が高額になってしまうことがあります。

個別の事務所ごとに「実費と専門家の報酬を合計してどのくらいかかるのか」について、きちんと説明を受け、弁護士と司法書士の違いも理解してから、依頼先を選定しましょう。

【具体例あり】選ぶべき債務整理と費用の関係

ここまで、債務整理の費用、それぞれについて詳しく解説をしてきました。

このうち、債務整理の中では、任意整理が、費用の面から言えば一番お手頃と感じるかもしれません。

しかし、費用が安いからと言って、安易に任意整理を選択するのはとても危険です。

なぜなら、これらの債務整理の手続きの種類によって、それぞれ得られるメリットも違いますし、何よりも実際に本人が置かれている個別具体的な状況によって、最善と言える手続きが変わってくる場合があるからです。

ここで、同じ200万円の借金があるAさんとBさん、2つの具体的なケースで考えてみましょう。

ー前提ー
この200万円の借金の年利は15%で、月の返済額は約3万6千円。完済まで8年かかる。支払う利息の総額は約145万円と仮定する。

【Aさんの事例】

借金が200万円で毎月返済はできているが、借金そのものは全く減っている気がしないとお悩み

この場合は、まず任意整理で利息をカットもしくは大幅減額する方法を考えましょう。
上記の通り、任意整理の費用は4~9万円程度が相場と考えると、それで約145万円の利息がカットもしくは大幅減額されるのであれば、任意整理は賢い選択と言えるでしょう。

【Bさんの事例】

収入に対して200万円の返済が大きすぎる、もしくは今後収入がゼロになり、返済の目途がたたないとお悩み

この場合、自己破産を選択するのが最善の可能性があります。

もし、Bさんに特に資産がない、免責不許可事由がないという場合は、最低限の費用で自己破産ができる可能性があります。

分割で費用を払って自己破産をし、200万円の借金から解放され、再スタートするのも選択肢の一つです。つまり、40万〜50万円程度の費用を支払う代わりに、200万円の借金を0にするのです。

まずは弁護士に相談して、個人の状況に合わせて最適な手続きを模索しましょう。

まとめ

債務整理は、借金の悩みから解放されるための手段です。

手続きに費用がかかりすぎて支払いができなくなり、借金問題が解決できないのではなんの意味もありません。

最善な債務整理の方法を検討し、なるべく負担がかからないように、費用を積み立て、その後の支払いができるように、弁護士も協力してくれます。

弁護士事務所によっては、費用に多少の差が生じることもありますが、「費用が安い」という観点だけで、事務所を選ぶべきではありません。

費用の安さを第一にしてしまって、他の面を考えずに依頼してしまうと、その後、事務所とのコミュニケーション

うまくいかず手続きがスムーズに進められなかったり、依頼した弁護士が想像していたよりも親身に対応してくれないなど、自身の希望とそれてしまう可能性もあります。

一般的に、弁護士事務所に相談して経済的にメリットが少ない(費用の方が多くかかってしまうなど)手続きを勧められることはまずありません。

弁護士はあなたの生活再建の味方ですので、安心して相談してみてくださいね。

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