パチンコ・パチスロをしている人の中には、当たったときの快感が忘れられず、負けが続いても止められない方が多くいます。
借金をしてでもパチンコ・パチスロを止められない生活が続き、「この生活を続けるとどうなるのだろう」と不安を感じている方もいらっしゃるでしょう。
パチンコ・パチスロで借金を重ねる生活を続けると、多重債務に陥り、最終的には自己破産をしてしまう人も少なくありません。
この記事では、パチンコ・パチスロで借金を重ねる生活を続けると起こり得ること、借金生活に不安を感じているときにできること、借金返済の方法などを解説します。
パチンコ・パチスロで借金を重ねる生活から抜け出したいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
監修
弁護士法人サンク総合法律事務所
弁護士 淺海 菜保子
パチンコ・パチスロで借金を抱えた生活が続くとどうなるのか?
パチンコ・パチスロは依存性の高いギャンブルです。パチンコ・パチスロで借金をしてしまうと、いつしか借金をするのが当たり前になり、借金生活から抜け出せなくなってしまいます。
パチンコ・パチスロで借金を抱えた生活を続けると、次のようなことが起こり得ます。
- お金を浪費する生活が続き、借金がふくらむ
- パチンコのために借金をするようになってしまう
- 多重債務に陥ってしまう
- 借金が年収の1/3以上になってしまう
- 借金を返済できず滞納し、さらに借金が増える
- 家族や恋人に愛想を尽かされ、人間関係に悪影響が生じてしまう
- 自己破産をするしか選択肢がなくなる
借金を抱えた生活を見直すことなく続けていると状況はどんどん悪化し、最終的には自己破産をせざるを得ない状況に追い込まれてしまうこともあり得ます。
以下では、それぞれの内容を具体的に解説します。
パチンコのために借金をするようになってしまう
パチンコ・パチスロでの借金生活を続けていると、ギャンブルで足りなくなった生活費のためではなく、パチンコやパチスロに使うお金のために借金をするようになってしまいます。
パチンコ・パチスロを続けているとすぐにお金がなくなってしまうため、金銭感覚がおかしくなることもあるでしょう。
日常の生活費としての1万円は大きな金額と理解していても、パチンコ・パチスロでは1万円をあっという間に使い切ってしまうようになるのです。
多重債務に陥ってしまう
パチンコ・パチスロでの借金を続けていると、やがて借金を返済できなくなります。
そうなると、借金を借金で返済する多重債務に陥ってしまう可能性が高いでしょう。
借金を借金で返済しても借金の総額が減るはずもなく、前の借金の利息と新たにした借金の利息の分だけ借金の総額は増え続けます。
複数の貸金業者から借入れを行う多重債務の状態に陥ってしまうと、生活が完全に破たんするまでに残された時間は多くないと言えるでしょう。
借金が年収の1/3以上になってしまう
貸金業者を規制する貸金業法には、年収の1/3を超える貸し付けを禁止する総量規制のルールがあります。
貸金業法が総量規制を定めているのは、返済能力を超える貸し付けによって返済不能の状態に陥る人を産み出さないためです。
つまり、貸金業法は年収の1/3を返済能力の限界と考えているということになります。
総量規制は、銀行や信用金庫からの融資やクレジットカードのショッピング枠の利用には適用されません。
そのため、パチンコ・パチスロで借金を重ねている人の場合、貸金業者以外からの借金の金額を足すと、実際の借金の総額が年収の1/3以上になってしまっていることが多々あります。
年収の1/3を超える借金を抱えているということは、一般的に見て返済能力を超える借金を抱えているということになるのです。
借金を返済できず滞納し、さらに借金が増える
借金を返済できずに滞納する状況になると、利息だけでなく遅延損害金が発生してさらに借金が増え続けることになります。
遅延損害金とは、借金を返済期日に返済できなかった場合に利息とは別に発生する損害賠償金のことで、貸金業者からの借金については遅延損害金の利率が、上限で年利20%となっています。
そのため、もともとの利息と遅延損害金を合わせると年利30~40%もの数字になり、借金は加速度的に膨らんでしまいます。
借金の滞納を続けてしまうと、返済できる状況に戻ることはできなくなるでしょう。
家族や恋人に愛想を尽かされ、人間関係に悪影響が生じてしまう
パチンコ・パチスロなどのギャンブルで借金を重ねることについて、家族や恋人の理解を得るのは難しいでしょう。
家族や恋人から注意を受けているにもかかわらず借金を重ねる状況から抜け出せない場合には、愛想を尽かされ、別れに至る可能性もあります。
自己破産をするしか選択肢がなくなる
借金の金額が膨らんでたびたび滞納する状態が続くと、やがて借金を返済できなくなってしまいます。
月々の返済に充てられる金額よりも利息や遅延損害金の方が大きくなってしまった場合は、いくら返済をしても借金が増え続けるだけの状態になってしまうでしょう。
完全に借金の返済ができなくなると、自己破産をするしか選択肢が無くなってしまうこともあり得ます。
実際、パチンコ・パチスロなどのギャンブルを理由とした借金で自己破産に追い込まれた人は少なくありません。
パチンコ・パチスロで借金をする生活を続けていると、いずれは自己破産を検討せざるを得なくなるなど、追い詰められてしまうでしょう。
破産をした人のうち、約7%はギャンブルが原因
日弁連の調査によると、自己破産をした人のうち7.18%はギャンブルが原因となっています(参考:2020 年破産事件及び個人再生事件記録調査|日本弁護士連合会)。
7.18%という数字だけを見ると、それほど大きな数字には感じないかもしれません。
しかし、日本では毎年7万件を超える自己破産があるため、ギャンブルが原因で自己破産した人が毎年5,000人以上いる計算となります。
ギャンブルを原因とする自己破産の割合は、2017年調査時の4.93%から2020年の調査では7.18%と大幅に増加しており、現時点ではさらに数字を伸ばしている可能性もあるでしょう。
ギャンブルを原因として自己破産をするのは決して珍しいことではなく、パチンコ・パチスロで借金を重ねている人にとっては身近な問題と言えます。
パチンコ・パチスロで一発逆転は狙えない
パチンコ・パチスロで借金を作ってしまった場合、パチンコ・パチスロの大当たりで一発逆転を考える方もいるでしょう。
しかし、パチンコ・パチスロは安定して勝ち続けられるものではありません。
一発逆転を期待しても、借金を重ねてさらに苦しい状況になる可能性は極めて高いと言えるでしょう。
パチンコ・パチスロで借金をしている人は、トータル収支で負けているからこそ借金を重ねる生活に陥っています。
これまでパチンコ・パチスロに負けて借金を作ってきた人が、これから勝ち続けることなど、ほぼあり得ないと考えられます。
一発逆転を狙えないのは、宝くじやFX、暗号通貨なども同様です。
これらの方法で大金を得ている人も一発逆転を狙ったのではなく、たまたま当たったという人がほとんどでしょう。
ギャンブルで追い込まれた状況から一発逆転に成功する人など、実際にはほとんど存在しないと言えます。
大半の人が失敗しているからこそ、ごくごく一部の成功した人が注目されていると考えられます。
パチンコ・パチスロで借金を重ねる生活から抜け出したいのなら、一発逆転を狙うのではなく、地道な方法でコツコツと返済を続けるのが正しい方法と言えるでしょう。
パチンコ・パチスロでの借金生活に不安を感じるなら
パチンコ・パチスロによる借金生活に不安を感じていても、今すぐにパチンコ・パチスロを止めるのは難しい方もいるでしょう。
ギャンブルは依存性が高く、自分の意思ひとつで簡単に止められるものではありません。
ここでは、パチンコ・パチスロから離れる方法として2つの方法を紹介します。すぐには止められない場合でも、少しずつ止める努力を始めてみてください。
パチンコ・パチスロから離れる準備を少しずつする方法
パチンコ・パチスロを急には止められない人は、次の方法で少しずつ距離を置くようにしましょう。
- 1回に使う金額を減らす
- 行く回数を少しずつ減らしていく
- 1パチ以外は利用しないようにする
など
まずは、1回に使う金額を減らす、行く回数を減らすなど、できる範囲から始めてみましょう。
1パチ(1円パチンコ)に変えるだけでもパチンコの費用は減らすことができます。
パチンコ・パチスロと距離を置く生活を始めると、最初は我慢するのが辛く感じることも多いかもしれません。
しかし、時間が経って新たな借金をすることなく、毎月返済できる状況になれば、日々の生活への不安も少なくなっていきます。
パチンコに依存していたときよりも生活への不安が少ない状況の方が快適と感じるようになれば、パチンコを完全に卒業できる日も遠くはないでしょう。
ギャンブル依存について専門機関に相談する
日本には、ギャンブル依存症の疑いがある人が数百万人いるとも言われています。
依存症に陥っている人が、自分の意思だけで依存症に打ち克つのは非常に困難です。
自分の意思ではパチンコ・パチスロから抜け出せない場合には、他者の助けを借りることをおすすめします。
ギャンブル依存から抜け出すための相談先としては、次のようなものがあります。
- 自助グループ
- 精神保健福祉センター
- ギャンブル依存症予防回復支援センター
自助グループは、ギャンブル依存症に悩む人たちが集まり、お互いの体験談や苦しみを語り合うことでギャンブルから抜け出すことを目的とした組織です。
全国にさまざまなグループがありますので、お近くに自助グループがある方は一度相談してみると良いでしょう。
精神保健福祉センターはギャンブルやアルコール、薬物に関する相談や指導を行う組織です。
ギャンブル依存症予防回復支援センターは無料のサポートコールでギャンブル依存者などの相談を受け付け、臨床心理士などの専門家が適切なアドバイスや情報を提供してくれる組織です。
どちらも全国に拠点があり、相談料は無料で利用できますので、どうしてもパチンコが止められないとお悩みの場合は相談してみることをおすすめします。
ギャンブル依存症予防回復支援センター | 相談窓口・医療機関リスト
パチンコ・パチスロでできた借金の返済のためにできること
パチンコ・パチスロでできた借金を返済するためにできることとしては、次の3つの方法が挙げられます。
- パチンコ以外も含めた支出の見直し
- これ以上、借金をできないようにする
- 返済ができないときには債務整理を検討
まずは生活を見直して、少しずつでも返済する方法を考えてみてください。
実際に返済できる金額や毎月の利息などを計算してみて、どうしても解決できない場合は、債務整理も検討してみましょう。
以下では、3つの方法について詳しい内容を解説します。
パチンコ以外も含めた支出の見直し
パチンコに限らず、借金をしている人の中には自分の収支の状況を把握していない人が多くいます。
借金を確実に返済していくためには、収支を見直すことが出発点となります。収支を把握するために、面倒であっても家計簿をつけましょう。
家計簿で自分の収支を確認し、収入を増やす方法はないか、減らせる支出はないかを1つ1つ確認してください。
パチンコの費用を無くすのはもちろんのこと、それ以外の支出も節約すると、想像していたよりも多くの金額を返済にまわせる可能性があります。
収支を見直して月々の返済を続けていくのに十分なお金を確保できたら、コツコツと返済を続けてください。
自分の収支を把握して節約を心がける習慣は、借金を返済し終えたあとも堅実な暮らしを維持するのに役立つことでしょう。
これ以上、借金をできないようにする
当然のことながら、借金の返済を続けていく際はさらに借金を重ねないことも重要です。
借金を借金で返済をしても、債務総額は膨らむ一方で、状況はさらに悪化してしまいます。
借金を重ねてしまう状況を自分でコントロールできない人は、日本貸金業協会の貸付自粛制度を利用することをおすすめします。
貸付自粛制度とは、信用情報機関に貸付自粛の申告情報を登録し、これ以上の貸し付けを受けられなくする制度です。
貸金業者は、申込者に貸し付けをする際に信用情報機関に登録された情報をもとに審査を行います。
信用情報機関に貸付自粛の登録がされていると、貸金業者に新たな貸し付けを申し込んでも原則として審査が通らなくなります。
貸付自粛制度は無料で利用可能です。
新たな借金をしてしまう不安のある方は貸付自粛制度に登録し、これ以上借金ができない状態に自分を追い込むようにしてください。
貸付自粛制度について 【借金などでお悩みの方へ】 | 日本貸金業協会
返済ができないときは債務整理を検討
収支を見直して、新たな借金をしない状況を作っても返済を続けていくのが難しい場合には、債務整理を検討してください。
債務整理とは、債務の金額や返済条件を調整することによって、借金問題を解決するための手続きです。
債務整理には、次の3つの種類があります。
- 任意整理
- 個人再生
- 自己破産
それぞれの方法には特徴があり、債務整理を検討している人の状況によってどの方法が適しているかは変わります。
以下では債務整理の手続きについて、それぞれの手続きの特徴と、どのような人に向いた手続きなのかについて解説します。
任意整理
任意整理は、債権者と交渉することによって、利息のカットや大幅な減額を目指す手続きです。
利息がなくなれば月々の返済額も減らすことができますが、任意整理を行っても元本は減りません。
任意整理は、利息を減らすことができれば、借金の返済を続けられる人に適した債務整理の方法です。
任意整理のメリットとしては、裁判所を通さずに行うため、比較的、手続きに時間がかからないこと、手続きをする金融機関を自分で選べることなどが挙げられます。
ただし、任意整理を行うといわゆるブラックリストに掲載されてしまうという点には注意が必要です。
個人再生
個人再生は、借金の額を大幅に減額し、裁判所に認められた再生計画に従って借金の返済を行う手続きです。
個人再生を利用すると、一般的には借金の総額が1/5~1/10ほどに減額され、この減額された借金を、原則として3年間かけて返済していくことになります。
個人再生のメリットは、債務者名義の住宅や自動車などの財産を残しながら債務整理を行えることです。
ただし、再生計画に従った返済ができなくなると民事再生が取り消され、元々の借金が復活してしまいますので注意しましょう。
もっとも、個人再生は非常に複雑な手続きのため、個々の事情によって、実際に返済していく金額は全く異なります。
自己破産
自己破産は、裁判所の免責決定によって、ほとんど全ての借金を免除してもらう手続きです。
自己破産をすれば免責が認められた瞬間に借金がなくなり、返済しなくても良くなります。
自己破産には借金をなくせるという大きなメリットがありますが、デメリットも少なくありません。
自己破産をする場合は、原則として、債務者名義の資産は、全て裁判所に提出する必要があります。
また、ブラックリストに掲載されて新たな借金もできなくなるため、自己破産をしても生活を立て直すのが難しい場合もあるでしょう。
まとめ
パチンコ・パチスロでの借金を抱えた生活を続けると借金が膨らみ、ゆくゆくは自己破産などの手続きを検討しなければならなくなってしまうかもしれません。
しかし、今回この記事をご覧になった方の中にはまだやり直しのできる人が多くいらっしゃるはずです。
今の生活スタイルを見つめ直し借金を少しずつでも返済していくことができれば、これから生活を立て直すことも十分可能と考えられます。ぜひ、今日できることから始めてみてください。
借金の金額が大きく、自力での立て直しが難しい場合は、弁護士に相談することをおすすめします。
借金問題については無料相談を実施している法律事務所も多く、このホームページを運営しているサンク総合法律事務所でも借金の無料相談を行っています。まずは弁護士に相談することから始めてみてはいかがでしょうか。