債務整理を依頼した弁護士を変更する方法と費用について

債務整理を依頼した弁護士を変更する方法と費用について

弁護士に債務整理を依頼したとき、どうしても合わず「弁護士を変更したい」と悩んでしまう方も少なくありません。

ただ「弁護士の変更などできるのだろうか?」と不安を抱え、躊躇してしまう方が多数です。

今回は、任意整理や自己破産などの債務整理を依頼した弁護士を変更すべきなのはどういった状況なのか、交代してもらう手順や引き継ぎ方法、費用などについて解説していきます。

この記事の要約

  • 依頼中の弁護士を途中で変更することは可能
  • 新しい弁護士へ書類などの引き継ぎがされるのが通常
  • すでに支払った着手金や相談料などが戻ってくることは基本的になく、新しい弁護士に対しては別途着手金や相談料が発生するため、債務整理中の弁護士変更は慎重に検討すべき

監修

弁護士法人サンク総合法律事務所
代表弁護士 樋口 卓也

弁護士法人サンク総合法律事務所 樋口 卓也

債務整理で依頼した弁護士を途中で変更できる?

依頼中の弁護士を途中で変更することは可能です。

依頼中の弁護士との契約を解除することは、どのような理由でもできます。これは、現行民法651条1項に、「委任は、各当事者がいつでもその解除をすることができる。」と定められています。(民法第651条-wikibooks

ただ、弁護士への不信感は、弁護士の忙しさや単にコミュニケーション不足から生じることも多いので、まず依頼中の弁護士事務所等に不安なことを相談してみましょう。

基本的に、すでに支払った着手金や相談料などは戻って来ることはありませんので、債務整理中の弁護士変更は慎重に検討すべきです。

債務整理で弁護士変更が検討されるケース

債務整理中、弁護士の変更が検討されるのは、以下のようなケースが考えられます。

連絡がない、連絡をとりにくい

債務整理の状況について数か月たっても何の連絡もない、さらに自分から連絡を入れようとしてもコンタクトが取れない場合などには、弁護士の変更を検討する方が多いでしょう。

そのままではいつまで経っても手続きを進めてもらえないおそれがあります。

いつまでも申立てをしてもらえない

個人再生や自己破産を依頼すると、依頼者としては必要書類をすべて提出したにもかかわらず半年、1年以上放置されていつまでも申立てをしてもらえない場合があります。

何度問い合わせても対応してもらえないなら、弁護士の変更を検討するのが自然です。

高圧的すぎる

態度が高圧的すぎてストレスを感じる場合にも変更を検討される方が少なくありません。

一方的な意見を押し付けてきて説明もない

債務整理の方針について、弁護士が自分の意見を押し付けてきて依頼者の要望を全く聞かず、何の説明もしてくれない場合などには変更を検討すべきでしょう。

自分の要望と異なる方向へ話を進められてしまうリスクもあります。

業務停止になった

弁護士が問題行動をして懲戒処分を受け、業務停止になった場合、それ以上業務を進めることができませんので、通常別の弁護士に引き継ぎがなされます。

しかし、もともと管理がずさんであったり、業務停止になったことにより他の業務が立て込んだりすることにより、別の弁護士への引き継ぎ作業が後回しになるケースも多いです。

このような場合では、自分で新しく専門家を見つけ依頼しなおすという選択肢があります。

債務整理で弁護士を変更するメリット・デメリット

債務整理を依頼する弁護士を変更する際には、以下のようなメリットとデメリットがあります。

メリット

手続きがスムーズに進む

従来の弁護士がきちんと対応してくれていなかった場合に、弁護士を変更すれば次の弁護士がスムーズに債務整理を進めてくれる可能性があります。

たとえば破産を1年以上放置されていた事案でも、新しい弁護士が1か月で申立てを行ってくれるケースはよくあります。

ストレスが軽減される

合わない弁護士に依頼していると、多大なストレスがかかるものです。

弁護士を変更したら、ストレスがなくなって安心して債務整理を任せられるようになる方が多数おられます。

デメリット

費用がかかる

弁護士を変更しても、以前の弁護士から着手金やそうだんりゅいの返金は受けられないのが一般的です。

次の弁護士の費用もかかるため、コストが増大してしまうでしょう。

良い弁護士が見つかるとは限らない

弁護士を変えても良い弁護士が見つかるとは限りません。以前と変わらないか、さらに悪くなってしまう可能性もあります。

弁護士の探し方を間違えると不利益が大きくなるので、新しい弁護士は慎重に選定しましょう。

弁護士変更手続きのやり方・手順

以下では実際に弁護士を変更する際の手順や流れをお伝えしていきます。

新しい弁護士を探す

まずは代わりに依頼する新しい弁護士を探しましょう。

依頼したい手続きに関して、実績が多く親身になって対応してくれる弁護士をインターネットや周囲からの紹介で探してみることをおすすめします。

依頼したい弁護士に相談

相談の予約を入れて事務所へ相談に行きましょう。オンラインで相談できる事務所もあります。

相談時には、弁護士の変更を希望していることを伝え、弁護士の了承をとりましょう。

今の弁護士に変更したいことを伝える

次に今の弁護士へ、弁護士の変更を希望していることを伝え、辞任の手続きをしてもらいます。通常、辞任届や精算書、その他弁護士が預かっている書類がある場合は、今の弁護士から受け取ることになります。

弁護士によっては、新しい弁護士との引き継ぎをしてくれる場合もあります。その場合は、新しい弁護士の事務所名や連絡先、氏名などの情報を伝えましょう。

新しい弁護士に依頼

今の弁護士の了承を取れたら新しい弁護士へ依頼します。このとき費用が発生するのが一般的です。

引き継ぎが行われる

弁護士間で引き継ぎがされる場合には、引き継ぎが終了し次第新しい弁護士による業務が開始します。

変更したら弁護士間で引き継ぎはされる?

弁護士を変更したら、弁護士間で引き継ぎが行われることがあります。その場合、今の弁護士から新しい弁護士へ書類などの引き継ぎがされるのが通常です。

ただ、場合によっては債務者に記録や資料の持参を求められる可能性もあります。

たとえば、以前の弁護士の管理がずさんで引き継ぎが難しい場合には、依頼者が新しい弁護士へ再度説明したり資料を提出したりしなければならないでしょう。

新しい弁護士と相談しながら、状況に応じて対応していきましょう。

債務整理中に弁護士を変更したら費用はどうなる?

債務整理中に弁護士を変更すると、以前の弁護士からの着手金や相談料の返金は通常ありません

そして、新しい弁護士に対しては別途着手金や相談料が発生するので、多少は割高になってしまいます。

前の弁護士の断り方

弁護士の変更を検討するとき「以前の弁護士をどうやって断ればいいのだろう?」「失礼にならないだろうか?怒られないだろうか?」などと心配される方もおられます。

弁護士を変えたいなら、率直にその旨を伝えるのが一番です。

たとえば「事情があって弁護士を変えたいと思います」とだけ伝えたとしても、それで十分です。

弁護士を変えたいと伝えると「すぐに申立てをするから」「もう少しだけ待ってほしい」などと引き止められるケースもあります。

もう少し様子をみようと思うなら、変更を待つのもよいでしょう。

ただ、もはや完全に信頼関係を失っているなら引き止めに応じる必要はありません。

冒頭でもお伝えした通り、弁護士に依頼していても、いつでも自由に委任契約を解除することができると決められているからです。

裁判中でも弁護士変更できる?

債務整理では、過払い金請求や債権者からの請求訴訟など「裁判」が起こるケースもあります。

破産や個人再生の申立て後に変更したい場合もあるでしょう。

裁判中でも弁護士の変更は可能です。新しい弁護士への委任状を提出すれば、裁判所とのやり取りも弁護士がしてくれるので、依頼者が心配する必要はありません。

まとめ

依頼中の弁護士を途中で変更することは可能です(裁判中であっても)。

現行民法651条1項に、「委任は、各当事者がいつでもその解除をすることができる」と定められているのです。

ただ、すでに支払った着手金や相談料などは基本的に戻って来ることはありませんので、債務整理中の弁護士変更は慎重に検討すべきです。

また、新しく最適な弁護士がすぐに見つかるとは限りませんので注意しましょう。

そのようなデメリットを考慮しても、スムーズにストレスなく手続きが進むメリットをとるということであれば、きちんと手順を踏んで弁護士を変更しましょう。

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