実家暮らしで自己破産をすると家族に影響はあるの?悪影響を回避する方法とあわせて徹底解説

実家住まいの方が自己破産をする際、家族にどのような影響が出るのかは、非常に気になる問題です。

一人で生活している方とは異なり、「同居の家族に迷惑をかけないだろうか」と心配に思うことでしょう。

本記事では、自己破産手続きの際「具体的にどのような影響が出るのか?」「悪影響を回避する方法はあるのか?」などを詳しく解説します。

実家に住みながら自己破産の手続きをすることに不安をお持ちの方は、ぜひ参考にしてください。

監修

弁護士法人サンク総合法律事務所
代表弁護士 樋口 卓也

弁護士法人サンク総合法律事務所 樋口 卓也

実家暮らしで自己破産すると家族に影響はある?

実家暮らしの方が自己破産をした場合、一緒に住む家族に対して金銭的な影響が出ることは原則としてありません。

「家族の貯金まで取り上げられるのではないか」「家族も一緒にブラックリストに載ってしまうのではないか」。

このような不安をお持ちの方がいるかもしれませんが、これらについては心配不要です。

自己破産は個人に対して適用される制度のため、同居していたとしても、家族が何らかのペナルティを負うことはないでしょう。

ただし、同居する家族が借金の連帯保証人になっている場合はこの限りではありません。影響が出てしまうケースについては次の章で詳しく解説しますが、自分の借金が原因で家族に負担を強いることになる可能性もあります。

自己破産を検討する際は、両親や兄弟などにあらかじめよく相談しておくのが賢明です。

実家暮らしの自己破産で家族に影響があるケース

自分が自己破産をしても基本的には家族に影響はありませんが、状況によっては例外があります。

ここでは、家族に影響が出ると考えられる5つのケースを解説します。

ケース1.破産者名義の家に住んでいる

実家が自分の名義である場合、自己破産後にその家にそのまま住むことはできません。

自己破産をした場合、持ち家は処分され借金の返済に充てられるためです。

実家が自己破産をする本人の名義である場合、一緒に住む家族は引っ越しを余儀なくされるでしょう。

生活拠点が奪われ、さまざまな支障が出ると考えられます。

「それなら自己破産の前に別の家族の名義に変更しよう」と考える方がいるかもしれませんが、これは「財産隠し」と見なされる可能性があります。

財産隠しが発覚すると、自己破産が認められなくなることが考えられますのでご注意ください。

ケース2.破産者名義の車を家族で使用している

家と同様で、自動車の名義人が自己破産する本人で、その車を実家に済む家族と一緒に使っている場合、車の資産価値にもよりますが、車は差し押さえられてしまうケースが多いです。

家族みんなで使っている車の場合、取り上げられてしまうと不便になってしまうでしょう。

ケース3.破産者名義で契約している保険がある

積立型の保険の解約返戻金が20万円を超える場合は換価処分の対象となります。

たとえば、子どものためにとかけていた学資保険であっても、契約者が自己破産をすれば処分対象になります。

いざというときの保険が解約されてしまうと、家族にとって影響が出ることも考えられるでしょう。

保険契約の有無については、自己破産をする本人が自己申告するほかありませんが、少しでも財産を取っておきたいと考えて故意に申告しなかった場合、自己破産が認められなくなるなどのペナルティを受けるおそれがあるため注意しましょう。

ケース4.破産者名義の家族カードを使用している

自己破産者の名義のクレジットカードに付随する「家族カード」をよく使用していた場合、日常生活に影響が出ます。

自己破産の手続きを行うと本人名義のクレジットカードは一切使用できなくなり、家族カードも強制解約となります。

夫が主契約者で妻が家族カードを使っていた場合、これまでのように使えなくなってしまい不便に思うことがあるかもしれません。

ケース5.家族が保証人または連帯保証人(以下では「保証人等」といいます。)となっている

家族があなたの借金の保証人等となっている場合、あなたが自己破産をすることで、保証人等である家族が借金の残額を一括請求されることがあります。

もし残債を一括で返済できない場合、その家族自身も債務整理を検討する必要が出てきます。

保証人等は、債権者とともに借金返済の義務を負うことになるので、かならず双方が把握しておきましょう。

実家の家族への悪影響を回避し、借金の負担を軽減する方法

自己破産を検討する際は、実家で一緒に暮らす両親や兄弟らに、できるだけ迷惑をかけたくないと誰もが思うでしょう。

ここでは、借金問題を解決しつつも周囲に極力迷惑のかからない方法を2つ紹介します。

方法1.任意整理で対象とする債権者を選択する

自己破産の際に家族に与える影響のなかで、もっとも深刻なのは住まいに関してです。

家を取り上げられてしまうと、本人も家族も生活に大きな支障が出ます。

そのため、自己破産をすると実家を失うことになりかねないのであれば、自己破産以外の方法を選択しましょう。

任意整理であれば、手続きをする借金を選ぶことができるため、住宅ローンを手続きの対象から外せば、ローンの返済は残りますが、任意整理後も家を失う心配はありません。

同様に車を所持したまま借金の負担を減らすことも可能です。

方法2.個人再生で住宅ローン特則を適用する

任意整理では借金問題を解決できないけど、家を残したいのであれば、個人再生という選択肢もあります。

個人再生は、「住宅資金貸付債権に関する特則」を適用させることで住宅ローンを債権から除外することが可能です。

この特則が認められれば土地が差し押さえられたり、競売にかけられたりすることはなく、実家を守ることができます。

また、個人再生によって住宅ローン以外の借金は1/5〜1/10に減額することができます。

ただし、住宅ローンの支払いが継続できることが条件であるため、安定した収入が確保できる必要があります。

以後のローン支払いについては、返済スケジュールを組みなおせるケースもあるので借入先に相談してみましょう。

実家暮らしの自己破産は家族にバレる可能性が高い

自己破産を行う際「誰にもバレたくない」と考える方は多いでしょう。

しかし、実家暮らしの場合、同居の家族に隠したまま自己破産の手続きを行うことは難しいと認識しておきましょう。

ここでは、自己破産が家族にバレやすい6つの理由を解説します。

理由1.世帯全体の家計簿作成が求められるため

自己破産の申し立て時にはいくつかの書類提出が必要で、世帯全体の家計簿作成が求められることがあります。

ところが、同居家族全員分の収支を正確に把握している人はほとんどいないでしょうから、収支を把握するために同居する家族に協力をお願いする必要があります。

書類が揃わなければ自己破産を裁判所に申し立てることができないため、家族に知られることを回避するのは難しいです。

理由2.同居家族の収入証明が必要であるため

自己破産手続きを行う際は、同居家族の収入証明の提出が求められます。

また、年金受給者がいる場合には、記録が確認できる証明書や通帳の写しが必要です。

収入証明の発行を家族にお願いすれば、当然その理由も聞かれることとなるため、自己破産をすることがバレてしまう可能性が高いです。

なお、世帯分離していて生計が別の場合は例外的に証明書の提出が不要なケースもあります。

理由3.裁判所や債権者から連絡が来る可能性があるため

代理人を立てずに本人申立で自己破産の手続きを行うと、裁判所からさまざまな書類が届きます。

実家で暮らしていれば、郵便ポストに入った裁判所からの書類を家族が見つけ、自己破産を気づかれてしまうおそれがあるでしょう。

また、郵便だけはなく、破産管財人から財産に関する確認の電話がかかってくる場合もあります。

理由4.破産者名義の財産が処分されるため

自己破産が認められると、破産者名義の財産が換価処分されます。

たとえば、車やバイクなどをはじめ20万円以上の価値があるものは手元に残せません。

自宅にある高価な資産はすべて没収されるため、車やバイクを所有していて実家で暮らしていれば家族に気づかれてしまうでしょう。

ただし、生活に必要とされている「差押禁止財産」はそのまま所持できるので、もともと所有物が少ない方であれば変化に気づかれないケースはあるかもしれません。

理由5.一定期間クレジットカード・ローンの利用・借入ができないため

自己破産をしたあとは、一定期間クレジットカードの利用やローンの借り入れができなくなります。

実家暮らしの独身の方がクレジットカードが利用できなくなるだけであれば、同居する家族に気づかれないこともあるでしょう。

しかし、あなたのカードを使ったり、ローンを組んだりして実家の生活用品の買い物をする機会が度々ある場合は、隠し通すのは難しい可能性が高いです。

理由6.家族からの借金も自己破産の対象となるため

家族からお金を借りている場合、その借金も自己破産の対象になります。

家族自身が債権者となるため、自己破産を申し立てる場合は必ず知らせなくてはなりません。

自己破産の手続きを始めると、すべての債権者に「破産手続開始通知書」が裁判所から届くことになっています。

身内であってもほかの債権者と同様にこの通知が送られます。

なお、「家族には先にお金を返したい」と考えてしまうことがあるかもしれませんが、家族からの借金を優先して返していたことが発覚すると「免責不可事由」に該当し、自己破産が認められなくなる可能性があるので注意してください。

まとめ

実家暮らしの方が自己破産をする場合、自己破産による直接的な影響を受けるのは手続きをした本人のみです。

同居する家族の財産やクレジットカードに影響はありません。

ただし、実家で一緒に暮らす家族があなたの借金の保証人等になっていれば、代わりに借金の返済義務が生じるおそれがありますし、あなたが家や車の名義人であれば、家や車を失ってしまうこともあり得ます。

また、一緒に暮らしている家族に自己破産することを隠し通すのは難しいです。

そのため、実家暮らしの方が自己破産をする際は、家族への影響などを事前にしっかり確認しておくようにしましょう。

弁護士であれば、自己破産をするメリットや家族への影響を詳しくアドバイスすることができますので、自己破産を検討中の方は、一度弁護士への相談をご検討ください。

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