
借金返済が厳しくなった際に借金額を大幅に減額できる手続きが個人再生です。
個人再生には、持ち家を守ることができるなどのメリットがあり、高額の借金を抱えている方や、住宅ローン返済中に借金返済が困難になってしまった方などに適した手続きといえます。
このページでは、債務整理に取り組む弁護士が個人再生について徹底解説。
メリットやデメリット、個人再生の条件、手続き後の返済額などをわかりやすく紹介しています。
- 借金を1/5〜1/10程度に減額できる
- 持ち家や財産を残しつつ借金を減額できる
- 個人再生をするとブラックリストに載る
- 借金減額まで半年〜1年程度かかる
- 費用は分割払い等で支払うこともできる
監修
弁護士法人サンク総合法律事務所
弁護士 淺海 菜保子
個人再生とは
個人再生は債務整理の手続きのうちの1つです。裁判所に申立てを行うことで、借金の大幅な減額を目指すことができます。
借金額や所有する財産によって減額される金額は異なりますが、借金総額を1/5〜1/10程度に減額できることが多く、減額後は、残った借金を原則3年(最長5年)の長期分割で返済していきます。
他の債務整理と比較した個人再生の特徴
債務整理には、個人再生の他に任意整理や自己破産などがあります。
個人再生には、他の債務整理と比べて以下のような特徴があります。個人再生ならではの特徴は、元本を含めて借金を減らせること、持ち家を残せることです。
任意整理では、基本的に将来利息や遅延損害金しか減額できませんが、個人再生では元本も減らすことが可能です。
また、自己破産をすると借金がゼロになる代わりに持ち家等の財産を失います。
しかし、個人再生であれば、持ち家を失うことなく借金問題を解決できる可能性があります。
後ほど、メリットやデメリットの紹介を通じて、個人再生の特徴を解説していますので、詳しくはそちらをご覧ください。
個人再生のメリット
個人再生には、さまざまなメリットがあります。
一番のメリットは借金を減額できることですが、他にも債務者にとってプラスになることが多くありますので、一つずつ詳しく解説していきます。
借金を1/5〜1/10程度に減額できる
裁判所から個人再生が認められると、借金を1/5〜1/10程度に減額できます。
いくらまで減額されるかですが、個人再生には最低弁済額(減額できる限度額)が借金総額に応じて以下のように決まっています。
| 借金総額 | 最低弁済額 |
| 100万円未満 | 減額されない |
| 100万円以上500万円以下 | 100万円 |
| 500万円を超え1,500万円以下 | 借金総額の5分の1 |
| 1,500万円を超え3,000万円以下 | 300万円 |
| 3,000万円を超え5,000万円以下 | 借金総額の10分の1 |
たとえば、借金400万円の人であれば、個人再生によって借金は100万円まで減額できるというわけです。
最低弁済額よりも減額されることは基本的にありません。
一方で、財産を多く所有している場合は、最低弁済額よりも高額になることがあります(詳しくは「借金減額された後の返済はいくらになる?」の章で解説しています)。
減額後の借金は原則3年で返済する
借金が減額された後は、原則3年(最長5年)の長期分割で返済していきます。
短期での返済を裁判所や債権者から求められることはありませんのでご安心ください。
長期返済になることに加え、借金が減額されて利息もなくなることから、個人再生後は毎月の返済負担を大きく軽減することができます。
借金400万円が100万円に減額されたケースであれば、個人再生後は約2万7,777円を3年間で返済していくことになります。
持ち家等を失うことなく借金を減額できる
個人再生は、住んでいる持ち家を残すことが可能です。
個人再生には、住宅資金特別条項(住宅ローン特則)という制度があり、この制度を利用することで、住宅ローンは今まで通り返済し、住宅ローン以外の借金を減額できます。
自己破産は、基本的に持ち家を失うことになります。
任意整理は持ち家を残せますが、元本を減らすことができません。
そのため、個人再生は「持ち家を残したい」「借金を大幅に減額したい」という2つの要望を叶えることができる手続きと言えます。
自動車や高価な財産も守ることができる
個人再生で残せるのは持ち家だけではありません。
既に支払いが完了している自動車や高価な財産なども失うことはありません。
ただし、支払い途中だと失ってしまう場合もありますのでご注意ください(詳しくは「個人再生のデメリット」の章で解説しています)。
借金の原因に関係なく減額できる
借金を作った理由・原因が問われないことも個人再生の特徴です。
自己破産には、免責不許可事由という借金の原因によっては自己破産を認めない制度があり、例えば、ギャンブルで作った借金は自己破産できない可能性があります。
一方で、個人再生に免責不許可事由のようなものは存在しません。ギャンブルで作った借金でも個人再生で減額できる可能性があります。
債権者からの督促を止められる
借金を滞納し、債権者から督促を受けている場合は、弁護士に個人再生を依頼するとすぐ督促をストップできます。
弁護士は、依頼後すぐに受任通知という書類を債権者に送付しますが、受任通知を受け取った債権者は、以降に督促をしてはいけないと法律で決まっているからです。
そのため、弁護士に依頼をすれば、基本的には数日中に督促は止まるでしょう。
また、自分で個人再生をする場合も督促を止めることはできます。
ただし、自分で手続きをする場合は、裁判所に申立てをした後に止まるため、弁護士に依頼した場合よりも督促が止まるのが数ヶ月ほど遅くなります。
滞納による強制執行を回避できる
滞納が長く続くと、債権者は裁判所に強制執行の手続きを行うことがあります。これにより、所有する財産や給与の差し押さえを受けてしまう可能性があります。
ただし、個人再生手続きを行う際に強制執行中止命令も併せて申し立てることで、強制執行を止めることが可能です。
任意整理では強制執行を止めることができないため、給与の差し押さえ等を受けている場合は個人再生のこのメリットを活用することがあります。
借金減額された後の返済はいくらになる?
メリットで紹介した「借金を1/5〜1/10程度に減額できる」「減額後の借金は原則3年の長期の分割で返済する」について、より詳しく解説します。
個人再生後の借金額・毎月の返済額例
先ほど紹介したように、個人再生をすると借金を1/5〜1/10程度に減額でき、減額後は原則3年(3年で返済できない場合は最長5年)の分割で返済をしていきます。
まずは借金総額に応じた減額後の借金額、返済額の例を紹介します。
| 借金総額 | 最低弁済額 | 減額後の借金額 |
| 400万円 | 100万円 | 100万円 |
| 800万円 | 100万円 | 100万円 |
| 400万円 | 借金総額の5分の1 | 160万円 |
| 1,200万円 | 借金総額の5分の1 | 240万円 |
| 1,600万円 | 300万円 | 300万円 |
| 2,000万円 | 300万円 | 300万円 |
| 3,500万円 | 借金総額の10分の1 | 350万円 |
最低弁済額まで減額された場合、減額後の借金額は上記のようになります。1,600万円と2,000万円はどちらも300万円に減額されます。
これは、借金総額が1,500万円を超え3,000万円以下の場合の最低弁済額は300万円であることが理由で、借金総額は異なっても減額後の借金額が同じになることもあります。
これを踏まえて、次は、個人再生後の毎月の返済額を確認していきましょう。
| 減額後の借金額 | 個人再生後の返済額(3年) | 個人再生後の返済額(5年) |
| 100万円 | 約2万7,777円 | 約1万6,666円 |
| 160万円 | 約4万4,444円 | 約2万6,666円 |
| 240万円 | 約6万6,666円 | 4万円 |
| 1,200万円 | 借金総額の5分の1 | 240万円 |
| 300万円 | 約8万3,333円 | 5万円 |
| 350万円 | 約9万7,222円 | 約5万8,333円 |
これらの数字をみると、個人再生後、毎月の返済の負担が大きく減ることがわかります。
例えば、借金が400万円から100万円まで減額された場合だと、3年の分割で毎月約2万7,777円、5年だと毎月約1万6,666円まで減額されます。
仮に減額前の借金400万円を3年で返済すると毎月約11万1,111円ですから、大きく返済負担が軽減されたといえます。
財産が多いと返済額が高額になる
個人再生は財産を失うことなく借金を減額できますが、所有している財産が多い場合は、借金を最低弁済額まで減額できないことがあります。
これは、個人再生には清算価値保障原則という仕組みがあるからです。
清算価値とは、債務者が所有している財産の総額のことで、清算価値保障原則を簡単に言えば「財産を残して個人再生をするなら、財産の値分は債権者に返済しましょう」というルールです。
借金1,000万円の方が個人再生をする際、250万円の市場価値がある自動車を所有していたとします。
この場合、借金1,000万円の最低弁済額は200万円ですが、財産が250万円あるため、借金は250万円までしか減額されません。
上記のように財産の評価額が最低弁済額を上回る場合は、財産の評価額までしか減額されません。
対象となる財産は、自動車や預貯金、貴金属、不動産などさまざまで、評価額の計算方法は財産の種類によって異なります。
多く財産をお持ちの方は、弁護士に相談していくらまで減額できるか確認することをおすすめいたします。
手取り収入の2年分までの減額となる場合もある
実は、個人再生には小規模個人再生と給与所得者等再生という2種類があります(2つの違い等は後述します)。
基本的には小規模個人再生という方法で手続きを進めることが多いのですが、給与所得者等再生を選択した場合、収入を理由に最低弁済額まで減額できないことがあります。
それは、給与所得者等再生では「2年分の可処分所得の合計額」を考慮して、減額後の借金額が決まるからです。
可処分所得とは、所得から税金や社会保険料などを引いた、自由に使える手取り収入のことです。つまり、手取り収入2年分の計算が必要となります。
そして、その金額が最低弁済額よりも高額の場合は、2年分の可処分所得の合計額までしか借金は減額されません。
上記の通り、給与所得者等再生を行う場合は、最低弁済額だけでなく、2年分の可処分所得の合計額、所有財産の評価額を踏まえて減額後の借金額が決まります。
個人再生ができる条件
個人再生は借金返済に困っている人であれば誰でもできる、というわけではありません。
個人再生で借金を認めてもらうには以下の3つの条件をクリアする必要があります。
- 借金総額が5,000万円以下(住宅ローンを除く)
- 借金を返済できない、もしくは返済できなくなる可能性がある
- 毎月安定した収入がある
個人再生は、住宅ローンを除く借金総額が5,000万円以下の場合で申立てできます。借金額が5,000万円を超える場合は、任意整理または自己破産を選択することになります。
「借金を返済できない、もしくは返済できなくなる可能性がある」は、個人再生をしなくても借金を返済できる方は、個人再生できないということを意味します。
また、個人再生では原則として手続き後も返済が続くため、毎月返済していける安定した収入も欠かせない条件です。
個人再生のデメリット
個人再生をすることは良いことばかりではなく、マイナス点もあります。
ここでは、個人再生をした場合に生じる主なデメリットを紹介します。
ブラックリストに載る
個人再生をすると、信用情報に事故情報が記載され、いわゆるブラックリストに載った状態となります。これにより、以下のようなデメリットが発生します。
- 新規の借入やローンの利用ができなくなる
- クレジットカードの作成・利用ができなくなる
- 家族が契約するローン等の保証人になれなくなる
- 携帯電話の本体分割の契約が難しくなる
ブラックリストに載ることで生じるデメリットは、個人再生後に借金を完済してから、約5年間は続くと考えましょう(一部の借金は和解から10年続くこともあります)。
また、個人再生をした債務者は債権者の独自の社内ブラックに掲載され、5年が経過してもブラックリストから消えず、半永久的に利用ができないなどの可能性もあります。
認められるまでに時間がかかる
個人再生は裁判所を利用した手続きのため、申立ての準備のため、また、申立てた後も裁判所の認可を受けるまでは時間がかかります。さらに、準備の際はたくさんの書類を用意するため、労力もかかります。
所要期間はケースバイケースですが、個人再生することを決めてから借金減額が認められるまで半年から1年程度はかかると考えましょう。
一概には言えませんが、任意整理の場合は数か月程度で手続きを進められることが多いため、個人再生のほうが、多くの時間が必要な手続きであることは明らかです。
保証人・連帯保証人が一括請求を受ける
個人再生ではすべての債権者を対象にする必要があり、保証人や連帯保証人がいる借金も個人再生することになります。
このような保証人がついている借金を個人再生をすると、債権者は保証人に一括返済請求を行います。たとえば保証人がいる債権者1社から400万円の借金をしていた人が個人再生で借金を100万円に減額してもらった場合、減額された300万円の請求が保証人に行ってしまいます。
これにより保証人が借金を背負うことになって大きな迷惑をかけてしまいます。
ローン返済中の財産を回収されることがある
個人再生では、財産を失うことなく借金を減額できます。ただし、クレジットカードの分割払いやローンを利用していて、まだ支払い途中の場合は話が別です。
ローンや分割払いで購入した商品に所有権留保(完済するまで商品の所有権はローン会社等にあること)がついていると、個人再生することを知ったローン会社等に所有権留保を行使されて商品を引き上げられてしまうことがあるからです。
たとえば、自動車ローンの返済途中で個人再生をした場合、自動車をローン会社に引き上げられてしまう可能性があります。
官報に住所や氏名が載る
個人再生をすると官報公告が行われます。これは、政府の発行している官報という、新聞のような機関誌に個人再生した情報が掲載されるということです。
つまり、家族や知人等が官報を確認すれば個人再生をしたことがわかってしまいます。
ただし、官報を見るのは信用情報機関や金融機関で働くごく一部の方に限られ、大半の方は官報を読むことは一般的にはほとんどないといえるでしょう。
そのため、たとえ官報公告されても周囲に個人再生したことを知られる可能性は低いといえます。
個人再生が向いている人・向いていない人
ここまでお伝えした情報をもとに、個人再生が向いている人、向いていない人を考えてみましょう。
ご自身の状況を振り返り、もし、個人再生に向いている条件に当てはまるなら、個人再生を利用した借金問題の解決をご検討ください。
個人再生が向いている人
- 持ち家を失うことなく借金を減らしたい人
- 失いたくない財産がある人
- ギャンブルなどによる借金で自己破産できない人
- 自己破産をすると仕事が継続できなくなる人
個人再生が向いていると考えられる人は、主に上記の4つです。
いずれも任意整理では解決できないことが前提で(任意整理で解決できるなら個人再生は認められない可能性が高いため)、それでも「持ち家を失いたくない」「失いたくない財産がある」という場合に個人再生が適しています。
「ギャンブルなどによる借金で自己破産できない人」は、自己破産できない可能性が高いため、任意整理で解決できないなら、個人再生を検討するべきといえます。
「自己破産をすると仕事が継続できなくなる人」は、自己破産をすると一部の職業は一定の間、仕事ができなくなってしまうためです。
個人再生が向いていない人
- 安定した収入がない人
- 借金総額が5,000万円を超える人
- 借金総額が100万円未満の人
- 借金額に比べて財産が多い人
「安定した収入がない人」「借金総額が5,000万円を超える人」は個人再生の条件でも紹介した通りです。
条件を満たしていない人は、個人再生は向いていないといえるでしょう。
借金額が100万円未満の場合、借金の減額をすることができませんので、個人再生をしてもメリットはほとんどありません。
任意整理をしたほうが経済的なメリットを得られる可能性があります。
また、借金額に比べて財産が多い人も個人再生で借金をほとんど減額できない可能性があります。
例えば、借金300万円で、財産として車や株式などを所有しており、評価額が300万円以上だと、個人再生をしても借金を減額できませんので、この場合も向いていないといえるでしょう。
小規模個人再生と給与所得者等再生とは
「借金減額された後の返済はいくらになる?」で少し触れた小規模個人再生と給与所得者等再生について、詳しく解説しています。
小規模個人再生とは?
大半のケースでは、個人再生をする際は小規模個人再生で手続きを進めます。小規模個人再生には以下のような特徴があります。
- 会社員、自営業、アルバイトなど幅広い雇用形態の方が利用可能
- 債権者から同意を得る必要がある
小規模個人再生は、安定した収入があれば、会社員だけでなく、自営業、アルバイト、パートの方なども手続きが可能です。
債権者の同意が条件
また、借金減額を認めてもらうには、債権者から同意を得ることが条件となります。
これは、債権者数の2分の1以上が反対する(ちょうど2分の1の場合も含みます)、もしくは反対する債権者の借金額が借金総額の2分の1を超える場合、個人再生が認められないことを意味します。
例題を作成いたしましたので紹介します。
①のケースでは、反対は3社中1社のみ。借金額も半分以下のため個人再生ができます。
しかし、②のケースは反対する債権者が1/2を上回ること、③のケースでは借金額が1/2を上回ることから、個人再生はできません。
給与所得者等再生とは?
給与所得者等再生は、収入の安定性が高い方が利用できる個人再生で、以下のような特徴があります。
- 公務員やサラリーマンが利用可能
- 債権者の同意は必要ない
- 2年分の可処分所得も加味して借金が減額される
給与所得者等再生には上記のような特徴があります。収入の安定が必須の条件で、収入が不安定な自営業の方にはおすすめできません。
同意は不要だけど借金が多く残ることがある
小規模個人再生と異なり、債権者の同意が不要です。
そのため、小規模個人再生では債権者に反対される可能性があるケースなどで給与所得者等再生を選択することがあります。
いっぽうで、2年分の可処分所得の合計額も加味するため、借金の残額が多くなることがあります。
まとめると、債権者の同意が不要な代わりに、借金の減額幅が狭くなる可能性があることが給与所得者等再生の特徴です。
その他、過去7年以内に給与所得者等再生や自己破産をした実績がないことも給与所得者等再生を行う条件となっています。
給与所得者等再生の利用は1割未満
令和5年の司法統計では小規模個人再生の8552件に対して、給与所得者等再生は719件となっています。
給与所得者等再生の利用は個人再生全体の1割未満です。
個人再生の流れ
上の図解は弁護士に依頼して個人再生を行う場合の一連の流れをまとめたものです。
弁護士に依頼後は、受任通知の発送や書類の準備を行った上で個人再生の申立てを行います。
申立後に個人再生委員との面談を行い、また、裁判所から個人再生手続開始決定を受けるなどして手続きを進め、再生計画案の作成などを行った後、個人再生による借金減額の判断が出ます。
そして、裁判所から再生計画案の認可決定を受けると、いよいよ減額された債務の支払いを開始することになります。
一般的には、弁護士に相談してから認可決定を受けるまでに、半年~1年ほどかかり、裁判所の認可後は3年(最長5年)で返済を行いますので、個人再生を決意してから借金を完済するまで、短くても3年半程度かかると考えられます。
個人再生の各工程について詳しく知りたい方は、下記の記事をご覧ください。
個人再生で必要な書類
個人再生では、申立てをする際や申立後にさまざまな書類を用意します。
必要な書類は状況によって異なりますが、弁護士が作成してくれる書類も多いので、債務者の方は弁護士に任せておけば大丈夫です。
ただし、中には債務者自身でなければ収集が難しい書類もありますので、どのような書類が必要になるのか、弁護士の指示に従って対応しましょう。
個人再生の申立てを行う際に必要な主な書類
- 申立書
- 陳述書
- 本人確認書類(通常は住民票。民事再生規則14条1項1号)
- 債権者リスト(債権者一覧表)
- 財産リスト(財産目録)
- 家計表(家計収支表)
- 収支を証明できる添付書類
- 債務(借金)を証明できる添付書類
- 不動産・住宅ローンに関連する一定の住宅ローンに関する書類
- 清算価値算出シート
個人再生の申立完了後に必要な主な書類
- 財産状況等報告書
- 債権認否リスト
- 再生計画案
- 異議書
個人再生の費用
- 個人再生の費用相場:50〜80万円程度
弁護士に依頼して個人再生をした場合、費用は50〜80万円ほどが相場といえ、内訳は以下のようなものとなります。
| 項目 | 金額 |
| 申立手数料 | 1万円 |
| 予納郵券 | 2,196円~ |
| 官報公告費用 | 1万3,744円 |
| 個人再生委員報酬 | 15万円〜25万円 |
| 項目 | 金額 |
| 相談料 | 無料〜30分5,000円程度 |
| 着手金 | 50万円〜60万円程度 |
| 報酬金 | 10万円程度 |
一つ目の表は、裁判所に支払う費用です。二つ目の表は、個人再生を弁護士に依頼した場合の弁護士費用です。
裁判所に支払う費用では、個人再生委員報酬が大半を占めています。
個人再生委員とは、個人再生をスムーズに進めるために裁判所が選任することがある監督者のことです。
個人再生委員の選任は手続きを行う裁判所等で判断が変わり、選任されない場合であれば個人再生委員報酬は不要ですが、選任される場合はこの支払いが必須です。
弁護士費用は、依頼する弁護士事務所によって費用やその内訳に違いがありますが、相談料無料で、着手金と報酬金がかかる料金体系のことが多いです。
個人再生の費用が用意できない時の対処法
個人再生の費用を知り、「高すぎる」と感じた方もいるでしょう。
借金返済にお困りの方にとって、個人再生の費用は安いものではありません。
ただし、以下のような方法で個人再生の費用を用意することができます。
弁護士費用は分割払いを利用
一部の弁護士事務所は着手金の分割払いが可能となっています。
弁護士に個人再生を依頼して受任通知が送付されると、毎月の返済がいったんストップします。
そこで、毎月返済に充てていたお金を弁護士費用の分割払いに充てるなどして着手金を用意することが多くあります。
分割払いできるかは弁護士事務所によって異なりますので、分割を希望するなら無料相談の際などに確認をしましょう。
履行テストで予納金を支払う
個人再生では、履行テストというものを行います。これは、決められた金額を一定の間、毎月裁判所(または弁護士)に支払うことで、個人再生後の返済能力を確認するものです。
そして、履行テストで支払った費用は個人再生委員報酬の支払いに充てることが可能です。
また、最終的に、個人再生委員報酬よりも返済テストでの支払額のほうが多い場合は、余った分が返還されます。
個人再生に関するよくある質問
個人再生に関して相談者の方から多く寄せられるご質問を紹介します。
任意整理よりも個人再生をしたほうが良いでしょうか?
任意整理と個人再生で迷っている場合、任意整理で解決できるなら任意整理を選択したほうが良いでしょう。
任意整理は個人再生よりも手続きの所要期間が短いですし、手続きをする債権者を選べるなど融通が効きますので、債務整理をするデメリットを減らすことが可能です。
ご自身では判断が難しいことも多いため、弁護士に相談することをおすすめします。
自己破産よりも個人再生をしたほうが良いでしょうか?
個人再生と自己破産を比較する場合、それぞれの手続きのメリットデメリットを考慮して、慎重に検討する必要があります。
自己破産はメリットもありますが、デメリットが非常に大きな手続きと言えます。
持ち家や自動車などの財産は処分することになる可能性がとても高いため、借金をゼロにできても、その後の生活に大きな支障をきたしてしまう恐れがあります。
また、本来であれば自己破産をしたほうが良い状況であったとしてもギャンブルで借金を作った場合など、自己破産できない可能性があるときは、個人再生での解決を目指すことになります。
専門的な判断が必要となりますので、ご自身で決めるよりも弁護士に相談して判断してもらうのが良いでしょう。
個人再生をしたら家族にバレますか?
個人再生をしたことがバレるか否かはケースバイケースです。
家族に知られることなく個人再生を行い、借金問題を解決できる可能性はあります。
一方で、家族にバレてしまうケースや、正直に告白して家族に協力してもらったほうが良いケースもあります。
バレるケースとしては、ブラックリスト入りして家族カードが使えなくなるケース、家族が保証人になっているケース、自動車ローン返済中で自動車が引き上げられたケースなどがあります。
また、同居する家族に収入がある場合は家族の収入や家計を裁判所に報告する必要があるため、家族に内緒にしたまま手続きを行うことは難しいです。
個人再生に失敗することはあるのでしょうか?
申立て後に不認可になり、個人再生に失敗する可能性はゼロではありません。
しかし、弁護士に依頼して個人再生を行えば、そのようなリスクを最小限に抑えることができるでしょう。
債務整理を多く経験している弁護士は、個人再生できる可能性や、その他の方法などを踏まえて、最適な解決策の提案が可能です。
そのため、個人再生に失敗する可能性がある場合は、申立て前にその旨を相談者の方に伝え、別の解決策を提案するでしょう。
また、個人再生をする方の対応に不手際があり、個人再生が失敗に終わる可能性もゼロではありませんが、弁護士の指示に従ってきちんと対応をすれば、失敗のリスクは最小限に防げるはずです。
個人再生を失敗する可能性については、下記の記事もご参考ください。
まとめ
個人再生の概要をさまざまな角度から解説してきました。
個人再生は住宅ローン返済中で持ち家を所有したまま借金を大きく減額したい人などに適した手続きです。
借金を1/5〜1/10程度に減額することができ、その後は長期の分割返済となるため、返済負担も大きく軽減できます。
個人再生を検討している方は一度弁護士に相談して、ご自身が個人再生をするメリットなどをより詳しく確認してみましょう。
サンク総合法律事務所では、債務整理の無料相談を実施中です。
個人再生や借金問題に関するご相談はもちろん、自分にはどの債務整理が向いているのか、そもそも債務整理をするべきかなどの相談も可能です。
すぐ下の減額診断やメールフォームなどから簡単に相談できますので、まずはお気軽にご連絡ください。