メルペイスマート決済などの後払い決済は、商品を購入した時点ではなく、後から代金の支払いを行うことができる便利な決済方法です。
しかし非常に便利な反面、ついつい使いすぎてしまう方が少なくありません。
メルペイ後払い決済で支払いができなくなったら、債務整理で解決できるのでしょうか?
この記事ではメルペイなどの後払い決済によって溜まった負債を債務整理できるのか、解説します。信用情報との関係も解説しますので、気になっている方はぜひ参考にしてみてください。
- 後払い決済によってできた負債も債務整理の対象になる
- 後払い決済などの借金を滞納しそう、すでに滞納している、借金を別の借金で返済する自転車操業状態になっているといった場合には債務整理を検討する
- 債務整理を検討する際は、弁護士などの専門家に相談することをおすすめする
- 後払い決済は信用情報を確認する審査がないため、債務整理中や債務整理後のブラックリスト状態でも利用できる
- ただし「債務整理に失敗してしまう」「生活が苦しくなってしまう」などのリスクがあるため、債務整理中・債務整理後の利用はおすすめしない
監修
弁護士法人サンク総合法律事務所
弁護士 今枝 利光
後払い決済とは?その仕組み
後払い決済とは、ネットショッピングなどの場面で購入者が商品を受け取ったり、サービスを確認した後に代金を支払えるという仕組みです。
商品代金は、コンビニや銀行、郵便局などの金融機関で支払いをします。
利用者は商品を購入してもすぐに代金を払わなくてよいので、たとえば「欲しいものやサービスがあるが、次の給料日までは手元にお金がない」という場合でも買い物ができます。また、代金を支払ったのに商品が到着しないというトラブルを防ぐメリットもあります。
さらに、後払い決済はクレジットカードがなくても利用可能なので、クレジットカードを持っていない方や、「できるだけ利用したくない」という方などにとっても大変便利です。
メルカリやアマゾンなどの有名サイトでも、後払い決済サービスを利用できるようになっており、利用者が増加しています。
後払い決済の仕組み
後払い決済を利用したい人が、商品を購入する際に販売会社へ後払いを申し込む(利用するショップで支払い方法を選択する)と、後払い決済代行会社が商品の販売会社(加盟店)へと支払いを行います。
後払い決済代行の会社が、いわば代金を立て替えてくれるのです。
そして、販売会社から利用者へ商品が送られます。
その後、利用者が後払い決済会社へ商品代金を払い、精算します。
後払いサービスの基本事項
後払いサービスでは、基本的に信用情報の審査がありません。過去に債務整理をしたり、返済を滞納したりしたことのある、いわゆるブラックリスト状態になっている方も利用できます。
また、後払いサービスで購入した代金は、基本的に一括払いとなり、利息がかからないケースが多数です。
メルペイスマート払いとは
「メルペイスマート払い」「メルペイのあと払い」とは、その月の購入代金を、翌月に一括払いや定額払いで支払う方法です。
フリマサイト「メルカリ」での買い物や、メルカリ以外のオンラインストアやコンビニなど全国のメルペイが使えるお店での支払いで、支払い方法を「メルペイスマート払い」「メルペイのあと払い」と選択することで利用可能です。
メルペイスマート払いも、他の後払い決済と同じように信用情報の審査がありません。メルカリ独自の審査基準により審査されます。
ただし、支払い方法を一括払いでなく「定額払い」にする場合には、信用情報の審査があります。
その他の後払い決済サービス
メルペイスマート払い以外にも、後払い決済サービスの種類はたくさんあります。
以下でいくつか具体例をご紹介します。
NP後払い
NP後払いは通販サイトなどで買い物をした分の代金を、後から振込みやLINE Payで支払えるサービスです。会員登録をすると、利用分に応じてポイントもたまります。
Paidy
Paidyは、ネットショッピングなどの代金を、後からコンビニ払いによって支払えるサービスです。会員登録しなくても利用できます。
Atone
Atoneはネットショッピングなどの代金を、後からコンビニ払いや口座振替によって支払えるサービスです。会員登録が必要で、登録するとポイントもたまります。
後払い決済サービスはネット上のECサイトなどでの利用が主となっていて、実店舗で使えるケースは多くはありません。ただ便利で人気を博しているため、今後は実店舗で使えるケースも増えていく可能性があります。
後払いは利用しない方がいいのか
後払い決済サービスを使いすぎると翌月にまとまった支払いが必要になり、支払いに困ってしまう方も少なくありません。
こうしたトラブルを避けるためには、利用しない方がよいのでしょうか?
必ずしもそうとはいえません。後払い決済は便利ですし、家計に余裕があって十分に支払いができるなら、あえて避ける必要はないでしょう。
ただし以下のような場合、後払い決済サービスの利用はおすすめできません。
- 他の借金もあってこれ以上借りられないから後払いを利用している
- 後で支払うためのあてもないのに後払いを利用している
- 他の借金返済を滞納してブラックリスト状態になっているので、審査のない後払いを利用している
- 後払いを利用すると、使いすぎて翌月の支払いがきつくなる
特に借金返済に追われていて、これ以上借りられず手元にお金がないため、仕方なく後払いサービスを利用する場合は危険です。
借金でお金が足りない問題については、後払いサービスによって対応するのではなく、大元の借金問題を解決しましょう。
特に以下のような場合には、早期に債務整理を検討するようおすすめします。
- 借金を滞納しそう
- すでに借金を滞納している
- 借金を別の借金で返済する自転車操業状態になっている
債務整理とは
債務整理とは、借金トラブルを解決するための手続きの総称で、主なものに任意整理、個人再生、自己破産などがあります。
弁護士に債務整理を依頼すると、債権者からの請求が一時的にストップします。
任意整理
任意整理は、借入先の金融会社と直接交渉して借金の返済方法や返済期間を決め直す手続きです。
一般的に、借入先との合意後の利息を全額カットしてもらえて、元本のみ返済すればよい状態になります。
自己破産
自己破産は、裁判所へ申立てをして借金を0にしてもらう手続きです。
免責さえ受けられれば、どんなに高額な借金でも全額免除となる強い効果を持ちます(税金など一部の債権は免除されません)。
ただし一定以上の価値を有する財産が失われるデメリットはあります。
特段の財産もなく、無収入や低所得の方などは自己破産を検討するとよいでしょう。
個人再生
個人再生は、裁判所へ申立てをして借金を大幅に減額してもらう手続きです。借金額が5分の1や10分の1にまで減る可能性があります。
ただし十分な支払い能力がないと手続きを利用できないなどの制限はあります。
メルペイ後払いなどの後払い決済は債務整理の対象になるか
後払い決済でできた負債も債務整理の対象になります。
任意整理をすれば36回程度の分割払いにできる可能性がありますし、他の債務とともに個人再生をすれば、元本ごと大きく減額してもらえる可能性があります。
自己破産をすれば、後払い決済の残金もすべて支払いが不要になります。
特に、後払いサービスだけではなく他にも借金があって金額がかさんでいる場合は、債務整理をするメリットが大きくなります。
借金や後払い決済サービスで支払いが厳しくなったら、早めに債務整理を検討しましょう。
後払い決済を債務整理すると、買ったものが引き上げられる可能性がある
後払い決済でできた負債について債務整理を行うと、後払いで購入した商品が引き上げられたり、契約したサービスが解約されたりするおそれがあります。
ただ、後払いをせずに滞納し続けたとしても、購入した商品の引上げやサービスの解約は起こり得ますので、支払いができない・滞納しているという場合には、どちらにせよ早めに債務整理などで解決すべきです。
後払い決済を滞納すると、年率14.6%程度の遅延損害金が発生します。
債務整理を検討する際は弁護士などの専門家に相談しよう
債務整理を検討する際は、借金問題の解決に積極的に取り組んでいる弁護士に相談することをおすすめします。
自分だけでは「債務整理をすべきなのか」「何の手続きを選択すればいいのか」など判断がつかないことも多いでしょう。
弁護士などの専門家は、それぞれの収支状況や借金の概要、家族への影響や本人の財産などから、最適な手続きや進め方を包括的に提案することができます。
債務整理中も債務整理後も後払い決済自体はできる
債務整理中や債務整理後も後払い決済を利用できるのでしょうか?
1回払いの後払い決済では信用情報を参照しませんので、債務整理中や債務整理後でも後払い決済を利用できます。
しかし後払いサービスを利用すると、結局は支払いが必要となって自分の首を絞めることとなります。
また、債務整理中の後払いサービスの利用には以下のようなリスクがあるため、控えるべきといえます。
債務整理中に後払いを利用する場合の注意点
債務整理中に後払い決済サービスを利用すると、それぞれ以下のような問題が起こります。
・任意整理
任意整理中に後払いサービスを利用すると、手続き後の支払いに後払い利用額も上乗せされます。すると返済額が上がって支払えなくなり、任意整理に失敗するおそれがあります。
・個人再生
個人再生中に後払いサービスで債務が増えると「支払いができなくなって再生計画を遂行できないリスクがある」とみなされるおそれがあります。
そうすると再生計画案も認可されず、個人再生に失敗してしまいます。
・自己破産
自己破産中に不必要に後払いサービスを利用すると、浪費とみなされて免責不許可事由に該当してしまうおそれがあります。そうなるとせっかく自己破産しても債務が免除されず、自己破産に失敗してしまいます。
債務整理後に後払いを利用する場合の注意点
債務整理後であっても、やみくもな後払いサービスの利用はおすすめしません。
たしかに後払いサービスはいわゆるブラックリスト状態でも利用できるので、債務整理後の方にとっては便利です。
しかし使いすぎると支払いが苦しくなります。特に任意整理や個人再生の後で支払いが継続しているのに、後払いサービスの支払いも追加することは危険といえるでしょう。
また、2度目の自己破産は非常にハードルが高くなります。以前に自己破産した場合にも、やはり安易に後払いサービスを利用すべきではありません。
後払い決済の支払いに困ったら弁護士などの専門家に相談
後払い決済は、手元にお金がないタイミングだが欲しいものがある方や、商品やサービスを確認してから代金を支払いたい方、また、クレジットカードの利用をしたくない・できない方などにメリットのある支払い方法です。
ほとんどの場合、信用情報を確認する審査がないため、債務整理中や債務整理後のブラックリストの状態でも利用できます。
ただ、債務整理に失敗してしまったり生活が苦しくなってしまったりするリスクがあるため、債務整理中や債務整理後の後払い決済の利用はおすすめしません。
また、後払い決済によってできた負債も債務整理の対象になります。
特に、以下のような場合には債務整理を検討しましょう。
- 借金を滞納しそう
- すでに借金を滞納している
- 借金を別の借金で返済する自転車操業状態になっている
債務整理を検討する際は、弁護士などの専門家に相談することをおすすめします。