「個人再生をしたいけれど、家族には迷惑をかけたくない」このような悩みを抱えている方は多くいます。
特定の条件を満たさない限りは、家族に家計のやりくりや資料の用意に協力してもらうことはあるものの、家族に金銭的な負担がかかりません。
例えば、家族自身も、個人再生をする人の債務を保証しているなどの関わりが無ければ、家族の資産が差し押さえられないため安心して手続きを始めましょう。
この記事では、個人再生の手続きに必要な書類や家族への影響について解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
監修
弁護士法人サンク総合法律事務所
弁護士 堀川 民人
個人再生では家族の収入の提出が必要となる
個人再生は債務整理のひとつで、債務を整理し分割して返済していけるようにする救済措置です。
この手続きを行う場合、給与明細や源泉徴収票などの家族の収入に関する資料が必要になることが通常です。
個人再生は借金に苦しむ方にとって助けとなる制度ですが、同居している家族に知られたくない方も少なくないでしょう。
手続きの過程で家族の収入証明の準備により家族が知る可能性が高いものですが、知られない方法はゼロではありません。
弁護士にも相談してみましょう。
個人再生で家族に関する書類の提出が必要なパターン
世帯の状況によって提出が求められる家族に関する書類は変わってきます。
以下は個人再生の申請時における、世帯状況別の書類提出の扱いをまとめたものです。
| 世帯状況 | 書類の要・不要 |
|---|---|
| 同居の家族(配偶者・両親・子どもなど) ※生計が同じ場合 | 必要 |
| 別居の配偶者(単身赴任など) | 必要 |
| 別居の家族(両親・子どもなど) | 不要 |
※状況により要・不要の判断が異なるケースもあるため、詳しくは弁護士など専門家に確認してください。
同居の家族がいる場合は、収入等が分かる書類の提出が求められますが、ポイントは同一世帯として互いの収入に関係性があるかどうかです。
そのため、住まいは同じでも家計が完全に別であると認められた場合は、書類を提出しなくても良いケースもあります。
以下では4つのパターンに分けて詳しく解説します。
配偶者と同居して生活している
配偶者と同居して生活している場合は、相手の収入が分かる書類などが必要です。
普段、配偶者と財布が別々であったとしても、世帯収入として見られるため書類提出を求められるでしょう。
また、夫婦間に子どもがおり、夫片方または両方の資産を子ども名義で貯金している場合も世帯全体または個人再生する本人の財産とみなされることもあります。
配偶者と別居し生活している(単身赴任など)
別居生活をしている・単身赴任など一時的な事情で配偶者と別居している場合でも、配偶者の収支や資産が分かる資料が必要です。
住民票を移していた場合でも、一緒に貯金している口座があったり、配偶者の給与で生活していたりする場合は別家計とは言えず、同一家計と判断されます。
親と同居しており、生計が一緒になっている
親(家族)と同居していて、生計を共にしている場合も書類の提出が必要です。
同一家計内に含まれるすべての人の収支を確認する必要があるため、複数名の書類提出が求められる可能性があります。
例えば、成人している息子が個人再生を行う際、父親と母親、両方がともに働いている場合には両者の収入証明を提出しなくてはなりません。
親と同居しており、生計は別々
親(家族)と同居していて生計が別のパターンとは、例えば以下のような環境です。
- 実家住まいで、両親に生活費として毎月10万円渡している
- 二世帯住宅で、それぞれ別の財布で生活している
生計を共にしているか否かは、明確な線引きが難しいし、そもそも裁判所に認定してもらえるかの問題もありますので、どのような判断をされるかはケースバイケースになります。
別々の生計であると判断された場合、「居住証明書」のみの提出となり、家族の資産に関する資料は原則不要です。
判断に迷った際は、弁護士などの専門家に確認するとよいでしょう。
個人再生に必要な家族の書類とは
個人再生に必要な書類にはいくつかの種類があり、大きく分けると「裁判所が指定する書式で提出する書類」と「自由な書式で提出する書類」があります。
裁判所指定のものについては全国一律ではなく各地方裁判所によって若干異なるため、お住まいの地方裁判所で書式を確認したうえで準備を進めましょう。
同居家族の収入書類
個人再生に必要な書類のうち、家族が用意するもののひとつが「収入を証明できるもの」です。
具体的な書類例としては、以下があげられます。
- 給与明細書
- 源泉徴収票
- 確定申告書
- 年金受給証明書
- 生活保護受給証明書
給与明細は約2か月分の提出を求められるケースが多く、その他の書類に関しても、いつ時点の書類が必要なのか確認のうえ準備を進めましょう。
同居家族の財産資料
個人再生の際には「家族の財産状況が分かる資料」の提出が求められるケースもあります。
通帳のコピーや保険証券などが該当しますが、必ず提出するわけではありません。また、住まいが申立人以外の家族名義の場合、所有者が分かる書類が必要なケースもあります。
どのような資料を提出するかは申立人や申請の状況によって異なりますし、事後的に裁判所の判断で要求されることもあります。
家族の通帳のコピーを提出したからといって、申立人の家族の預貯金が没収されることはありません。
個人再生は家族にどのような影響がある?
前提として、個人再生はあくまで申立人の個人的な申請であるため、家族名義の家や車が差し押さえられたり、クレジットカードが停止されたりすることは原則としてありません。
ここでは、個人再生によって家族にどのような影響が出るのか解説します。
クレジットカードの家族カードが利用できなくなる
個人再生を行った場合、申立人のクレジットカードは強制的に停止となるため、それに伴って、家族カードも使用できなくなります。
家族自身が個人名義で契約しているクレジットカードには影響がありません。
家族が保証人・連帯保証人の場合、借金を一括請求されることもある
家族が借金の連帯保証人になっている場合、申立人に代わって全額返済する義務があります。
全責任を負うリスクを理解したうえで、署名しているはずですが、高額の負債の場合支払いが難しいケースもあるでしょう。
債権者も連帯保証人に対し分割返済を許してくれて、かつ連帯保証人である家族もその分割返済をしていけるのであればともかく、そうでないと、家族自身も債務整理を検討するといった影響がでる可能性があります。
一定期間、新たな借り入れやローンの契約ができなくなる
個人再生を行った後は金融機関からの新規のローン契約やキャッシングなどが一定期間受けられず、現金で支払えるものしか購入できません。
そのため、家族で使用する住宅や車の購入、教育ローンの組み立てができないといった影響が出てしまいます。
ローンを完済していない場合は、車はローン会社に引き上げられるケースがある
申請時に残債があると、その車は引き上げられる可能性が高いでしょう。
ローンの残債がある状態は車の所有権(名義)は債務者にあるため、ローン会社は車を引き上げて貸し出し分を回収しようとするためです。
申立人の車に家族もよく乗っていた場合、日常生活に影響が出てしまうでしょう。
ローン残債がない自分名義の車の場合は引き上げられる心配はありません。
まとめ
個人再生を行う際には、同居家族の収入や財産に関する情報提出が求められる場合があり、家族に少なからず影響が及びます。
そのため、手続きを進める前に家族とよく話し合い、協力を得ることが大切です。
また、同居家族に関する情報提出を適切に行えるよう、個人再生をする場合には弁護士に相談することをおすすめします。
サンク総合法律事務所では、個人再生を含む多様な債務整理において、豊富な事例に基づいた対応を行っており、毎月多くの相談者のケースに柔軟に応えています。
借金問題の解決に向けた第一歩として、無料相談を活用し、家族への影響も含めた具体的なアドバイスを得てみてはいかがでしょうか。