借金返済が苦しくなったとき、「借換え」をすると問題を解決できる可能性があります。
借換えをすると利息が減って総返済額が少なくなったり月々の返済が楽になったりするケースがあるからです。おまとめローンも借換えと似た効果を期待できます。
ただ、借換えやおまとめローンが根本的な借金問題解決の方法にならないケースもあるので、利用前に慎重に検討しましょう。
今回は借金の借換えやおまとめローンのメリットとデメリット、解決できない場合の対処方法をお伝えします。
- 借換え・おまとめローンのメリットは、「利率が下がる」「月返済額が減る可能性があること」など
- 借換えをしても借金問題の根本的な解決にはつながらない場合、任意整理などの債務整理を検討する
監修
弁護士法人サンク総合法律事務所
弁護士 堀川 民人
借金の借換えとは
借金の借換えとは、今の借入先とは別の金融業者から借金をして、その借入金によって今の借金を完済することです。
結果的に今の借金がなくなって新たな借金ができるので、借入先が変わることになります。
おまとめローンとは
借換えとよく似た方法に「おまとめローン」があります。
おまとめローンとは、複数の借金をしている場合に新たに借金をして、今の複数の借金を全部完済できるサービスです。
結果的に新たな借入先の借金だけが残り、借金が一本化されるので「おまとめローン」といわれます。
借換えとおまとめローンの違い
・借金の本数や借入先の違い
借換えは、通常1つの借金を別の金融業者からの借金に変更することを意味します。
借換え先は、銀行ローンに限らず一般的なカードローンなどの場合もあります。
一方、おまとめローンは、複数の金融機関や貸金業者からの借入れを、ひとつにまとめて返済していくことです。
借換え先についての定義は特にありませんが、利率の低い銀行が借換え先に選ばれるケースが多く、「おまとめローン」という名称の商品を打ち出している銀行もあります。
・借金の総量規制の違い
一般的に借換えを行う場合には、銀行ではなく消費者金融やクレジットカード会社などを利用するケースもよくあります。
その場合には「借金の総量規制」が適用されます。
借金の総量規制とは、一般の貸金業者から、定期的な年収の3分の1を超える借金ができないという規制です(参考:お借入れは年収の3分の1まで(総量規制について)【貸金業界の状況】ー日本貸金業協会)。
この総量規制は、貸金業法を根拠とするので、銀行法などのその他の法律を根拠として貸付けを行う銀行などには適用されません。
よって一般的な借換えの場合には総量規制が適用される可能性が高いですが、銀行のおまとめローンの場合には総量規制が適用されないといった違いがあるといえます。
借換えのメリット
借金を借り換えるとどういったメリットがあるのかみてみましょう。
利率が下がって総返済額が減る
今の借金よりも利率の低い借金に借り換えれば、現在の返済予定よりも総支払額を減らせるでしょう。
ただし、返済期間が延びると利率が下がっても総返済額は減らないおそれがあるので、借換えの際には借換え後の返済予定をしっかりシミュレーションしましょう。
月々の返済額が減るケースも多い
借換え後の利率が下がれば、同じ返済計画でも毎月の返済額を減らせる可能性があります。
月々の返済額が下がると、余裕のある生活を実現できるでしょう。
借換えのデメリット
借換えには以下のようなデメリットもあります。
利率が下がらないケースもある
よく調べずに借換えを実行してしまうと、さほど利率が下がらないおそれがあります。
借換えをする際には、借換え後の適用利率を事前にしっかりと確認しましょう。
総返済額が増えるおそれがある
借換えをしたのに総返済額が今より増えてしまうケースもあります。
利率が今より高い場合はもちろん、利率が下がっても、返済期間が延びると結局利息の総支払額は高額になってしまいます。
また、元の借金に未払いの利息等が含まれている場合には、本当に借換え等により支払総額が減るのか、よく計算した方が良いでしょう。
なお、元の借金を予定よりも早く支払った場合に本来支払いが予定されていた利息の支払いを法律上免れられるのか、法律上は議論があり得ます。
以上の2つのデメリットは、要するに、借換え・おまとめローンという名前であるからといって、必ず上記のメリットを得られるわけではなく、中身をよく検討する必要がある、ということを示しています。
審査が厳しいケースが多い
借換えをする際に好条件の契約をしようとすると、審査が厳しいケースが多数です。
金利が低い借換え先の多くは銀行などの金融機関ですが、銀行などの審査は通常、クレジットカード会社や消費者金融などよりも厳しくなっています。保証人を含め、担保を求められることもありうるでしょう。
借増ししてしまうおそれがある
借換えをすると、以前の借金は完済できます。
しかし、以前の借入先から勧誘がきて、ついつい借りてしまう方が少なくありません。
結果的に新しい借入れと以前の借入れの両方で借金ができてしまい、借金が倍増することとなってしまいます。
こういった問題は、借換えだけではなくおまとめローンにも共通するものです。
借換えで解決できない場合、任意整理を検討してみよう
借金の借換えにはデメリットも多く、借換えをしても借金問題の根本的な解決にはつながらないケースがよくあります。
借換えで解決できない場合には、任意整理などの債務整理手続きを検討してみてください。次に該当する人は任意整理を検討してもよいでしょう。
- 次回の返済が厳しく、滞納してしまいそう/滞納している
- 借金を早く返し終わりたい
- 返済に終わりが見えないので、支払う利息をなるべく少なくしたい
- 借替えの審査に通らない
- 借換えをしてもメリットがない
- 借金額が大きすぎて借り換えても解決できない
任意整理とは
任意整理とは、借金返済方法について借入先と交渉し、返済条件を決め直す手続きです。
任意整理をすると大半のケースで、債権者(借入れ先業者)との合意後の利息が0または大幅カットになります。
つまり任意整理において約束した金額の元本さえ返済すれば借金を完済できる状態にできるのです。
ただし任意整理をすると、いわゆるブラックリスト状態になります。
ブラックリスト状態とは、信用情報に事故情報が登録されてローンやクレジットカードを使えなくなった状態です。
任意整理をすると、完済後5年程度はクレジットカードを使用・作成したり住宅ローンなどを組むなどの借金をするのが難しくなる、というデメリットがあります。
借換えでお悩みの方が任意整理を検討した方がよい理由
・利息をカットして借金返済額を減らせる
任意整理をすると、将来の利息をすべてカットできるケースが多数です。これにより、借金の総返済額が大きく減り、毎月の返済額も減る方がたくさんいます。
「借りたものは自力で返済したいけれど、返済しても利息に充当されて元本が減っていかない」とお悩みの方にはぴったりの手続きといえるでしょう。
・審査がない
任意整理は、金融機関からお金を借りるわけではないので、通常の借金や借換えとは異なり、審査がありません。したがって、借換えの審査に通らない方でも利用できるメリットがあるといえるでしょう。
ただし、任意整理後の返済ができるだけの返済能力は必要です。
任意整理後は、減額交渉後の借金総額を4年ほどで返済していく計画になることが多数となっています。ケースバイケースとはいえ、月の返済額の大まかな目安を知りたい場合には、以下の計算をしてみましょう。
・借金問題解決の目処が立つ
任意整理をすると、通常は5年以内に借金を完済します。借金問題解決の目処が立つのもメリットといえるでしょう。
・借入先からの督促が止まる
借金を滞納すると、借入先から電話や郵便で督促されるので、プレッシャーを感じる方も多いでしょう。
任意整理を弁護士に依頼すると、返済は一時的にストップしますし、ほとんどの場合督促もなくなります。
平穏な生活を取り戻せるのもメリットとなるでしょう。
債務整理には他の手続きもある
任意整理でも解決できない場合、他の債務整理手続きを利用すると解決できるケースがほとんどです。
債務整理とは、借金問題を解決するための手段の総称です。
たとえば債務整理の1つである個人再生をすると、現在残っている債務まで減額される余地があるので、借金をより大きく減らすことができます。
自己破産をすると借金を完全に0にしてもらえます。
債務整理のどの手続きが良いかわからない場合、弁護士に相談すれば適切な手続きをアドバイスしてくれます。
困ったときには借金問題に詳しい弁護士へ相談してみましょう。
まとめ
借換え・おまとめローンにより、現在の借金状況が改善する可能性がありますが、悪化するおそれもあるので、予め、よく検討をする必要があります。
その上で、
- 返済が苦しいけれど借換えでは解決できない
- おまとめローン審査に通らない
- 借換えか債務整理か迷っている
こういった状況にある方は、まずは気軽に弁護士へ相談してみましょう。