
借金地獄に陥ってしまうと抜け出すことは容易ではありません。
借金を重ねたりギャンブルで取り返そうとしたりするなど、状況を悪化させ続けている人もいます。
借金地獄を抜け出すためには、ギャンブルでの一発逆転やヤミ金に頼るのではなく、法的な手続きで解決を目指すのが確実です。
この記事では、借金地獄から抜け出したい人に向けて、借金地獄に陥ってしまった方に当てはまる特徴や間違った借金地獄脱出方法などを紹介したうえで、借金地獄を脱出するための具体的な方法を解説します。
監修
弁護士法人サンク総合法律事務所
弁護士 堀川 民人
借金地獄に陥ってしまった方に当てはまる3つのこと
借金地獄に陥ってしまった方は、自分ではその状況に気づいていないこともあります。
次の3つの特徴に当てはまる人は、借金地獄に陥った状況と言えるでしょう。
- 多重債務に陥っている
- 利息の返済しかできず、元金が減らない
- 借金総額が年収の1/3を超えている
借金地獄から抜け出すためには、まず自分の状況を認識しなくてはなりません。
以下でその3つの特徴について詳しく解説します。
これらの特徴に当てはまる方は借金地獄に陥っている可能性が高いので、すぐに対策を始めるようにしてください。
多重債務に陥っている
借金返済のために他社からの借金を繰り返していると、借入先が多数ある多重債務の状態に陥ってしまいます。
借金を借金で返済する多重債務の状態になると、借金の元金は減るどころか、それぞれの金融機関に支払う利息の分だけ膨らみ続けてしまいます。
多重債務の状態で返済を続けても、なかなか借金は減っていきません。
借金返済のために多重債務となり借金の総額が増え続けている人は、借金地獄に陥っていると言えるでしょう。
利息の返済しかできず、元金が減らない
借金の総額が大きくなると、利息の返済だけで精一杯で元金が減らない状態になってしまいます。
当然のことながら、借金を完済するためには元金を減らさなければなりません。
利息の支払いを続けるだけでは、いつまでも借金返済を続けることになってしまいます。
月々の返済が利息分だけしかできないと、元金が減らずにいつまでも返済が終わらないため、借金地獄に陥っている状況と言えるでしょう。
借金総額が年収の1/3を超えている
貸金業者から借入れをする場合、総量規制という決まりによって借入総額の上限は年収の1/3までに制限されています。
たとえば、年収600万円の人が貸金業者から借入れをする場合、借入総額の上限は200万円となります。
総量規制があるのは、返済能力を超える借入れを防止するためです。
つまり、法律では「年収の1/3を超える借入れがある状態は返済能力を超えている」と考えているのです。
ただし、総量規制が適用されるのは貸金業者からの借入れのみで、銀行や信用金庫などからの借入れには適用されません。
そのため、貸金業者からの借入れと銀行からの借入れを足すと年収の1/3を超えることもあります。
あくまで1つの基準であるとはいえ、借金総額が年収の1/3を超えている人は返済能力を超える借入れをしている状態であるため、借金地獄に陥っている可能性が高いでしょう。
借金地獄をより厳しい状況に追い込んでしまう行為
借金地獄に陥っている人の中には、自分をさらに厳しい状況に追い込む行動を止められない人が多くいます。
借金地獄をより厳しい状況に追い込む行為としては次のようなものが挙げられるでしょう。
- 借金返済のために借金をする
- クレジットカードでのリボ払い
- パチンコや競馬などのギャンブル
- 浪費・無駄遣い
- 収入が減少しても生活水準を下げられない
借金地獄の状況でこれらの行為を続けるとますます深みにはまり、地獄から抜け出せなくなってしまいます。
5つの行為について、詳細を順番に解説していきます。
借金返済のために借金をする
借金返済のために別の貸金業者から借金をしても、借金は減りません。
それどころか、支払う借金の利息と新しい借金の利息の分だけ借金の総額は増えていきます。
借金返済のために借金を重ねる行為は、状況をより悪化させるものと言えるでしょう。
クレジットカードでのリボ払い
クレジットカードでのリボ払いは、簡単に利用できるため気軽に利用してしまう人も多い借金のひとつです。
しかし、リボ払いの利用は借金を分割で返済しているのと変わりありません。
それどころか、リボ払いの金利手数料は消費者金融の利息よりも高く設定されていることが多く、リボ払いを利用し続けるのは消費者金融の利息よりも高い利息で借金をし続けることになってしまいます。
借金地獄に陥っている人には、手持ち全てのクレジットカードのリボ払い利用枠を使い切っている人も多いですが、それはかなり危険な状況と言えるでしょう。
パチンコや競馬などのギャンブル
パチンコや競馬などのギャンブルが原因で借金地獄に陥っている人は、ギャンブルの負けをギャンブルで取り戻そうとしてさらなる借金を重ねる傾向にあります。
しかし、ギャンブルは、一時的には勝つことがあっても長期的に勝ち続けることはまず無理です。
ギャンブルの負けを取り返そうとし続ける限り、借金は膨らんでしまうでしょう。
浪費・無駄遣い
浪費・無駄遣いを止められないと、当然のことながら借金地獄の状況は悪化し続けます。
収支の状況を見直して、浪費や無駄遣いは徹底的に無くさなければなりません。
浪費・無駄遣いをいつまでも続けていれば借金地獄から抜け出すことはなく、ゆくゆくは自己破産をするしかなくなってしまうでしょう。
その自己破産も、浪費がある場合には原則として免責されない制度ですので、浪費をして借金を返せなくなっている人は、直ちに浪費を止めるべきです。
収入が減少しても生活水準を下げられない
病気や仕事の変更による収入減少を理由に借金を重ねている方もいらっしゃるでしょう。
収入が減少してしまった場合、一時しのぎとして借金に助けられることもあります。
しかし、収入が回復する見込みがないのなら、収入の減少に合わせて生活水準も下げる必要があります。
収入が減少しても生活水準を下げられないと、生活費のための借金を重ね続けなければならなくなるのです。
これだけでは抜け出せない。間違った借金地獄脱出方法
借金地獄に陥っている人が借金地獄を脱出するために取る方法としては、次のようなものが挙げられるでしょう。
- ギャンブル・FX・暗号通貨での一発逆転
- ヤミ金に手を出す
- 夜逃げする
- おまとめローンの利用
結論から言うと、これらの方法で借金地獄を抜け出すことはできないでしょう。
それどころか、さらなる深みにはまってしまう可能性も高いでしょう。
以下では、これらの方法が借金地獄を抜け出す方法としてなぜ間違っているのかを解説します。
ギャンブル、FX、暗号通貨での一発逆転
ギャンブル・FX・暗号通貨などで一発逆転を狙う方法は、ほぼ全ての人が成功しません。
一発逆転を狙ってのチャレンジを続けていても、借金が膨らむ一方となるでしょう。
特にFXでレバレッジをかけた取引をすると、莫大な借金を抱えてしまう可能性があります。
借金はギャンブルで帳消しにできるものではありません。引き返せるうちに、まともな方法で借金問題を解決するべきでしょう。
ヤミ金に手を出す
他の消費者金融や銀行での借入れができなくなっても、ヤミ金を利用すればお金を借りることができます。
しかし、ヤミ金の金利は法律で定められた上限を超えるものです。
ヤミ金でお金を借りると利息があっという間に増え、利息すら返済できない状況に陥ってしまいます。
そして、ヤミ金による取立ては厳しく、自分が精神的に参るだけでなく、家族や勤務先にも迷惑を掛けかねません。
一度ヤミ金に手を出してしまったら、自力で借金地獄から抜け出すのは難しく、それどころか日常生活を送ることすら難しくなります。
夜逃げする
夜逃げをすれば、一時的に債権者からの督促から逃れることができます。
しかし、夜逃げをした先で新たに生活を立て直すことは容易ではありません。
夜逃げをした場合、債権者に見つかるのを防ぐため新たな生活拠点に住民票を移すことはできません。
これまで利用していた銀行口座も債権者から差し押さえられる可能性があるため利用しにくくなるでしょう。
住民票がなければ安定した職に就くのは難しくなりますし、銀行口座がなければ普通に生活をするのにも不便が多くなってしまいます。
夜逃げによって借金の返済から逃れられたとしても、新たな生活は借金地獄よりも苦しいものとなり、それがずっと続く可能性が高いのです。
おまとめローンの利用
おまとめローンとは、複数の借金を一本化して借金の管理をしやすくする方法です。
おまとめローンを利用すると複数の債権者から督促を受ける状況がなくなり、金利を下げられる可能性もあります。
しかし、おまとめローンは必ずしも元金の減額や利息のカットができるものではありません。
地獄と思えるほど借金で首が回らない状態の際は、おまとめローンでは根本的な解決にはつながらないでしょう。
また、おまとめローンの利用には審査が必要で、借金地獄に陥っている状況ではそもそも審査をクリアできない可能性もあります。
借金地獄から抜け出すための方法
地獄と感じるほどの借金から抜け出すための方法としては、大きく次の2つが考えられます。
その他にも、たとえば「ローンで買った車等の高額財産を手放し返済に充てる」「副業や節約により収支を見直す」などもあり得ますが、以下では次の2つの方法について説明しますので、参考にしてください。
- 家族に相談し、借金の返済を援助してもらう
- 債務整理を行う
家族に相談し、借金の返済を援助してもらう
家族や親族に相談し、借金の一部でも返済を援助してもらえるのならば、借金地獄から抜け出せる可能性はあります。
家族に援助してもらう場合には全額を出してもらうか、残額が自分で無理なく支払える金額になるまで負担してもらうようにしてください。
中途半端な金額を負担してもらっても、残額を自分で返済できないと根本的な解決にはつながりません。
また、いわゆる肩代わり・立替えだと、通常、その家族の方にお金を返すことになります。
肩代わりであっても、実際は取立てがほとんどなく援助(贈与)に近いこともあるかもしれませんが、結局は家族に対して返金義務を負う場合には根本的な解決にもなりませんし、家族との溝を作ることにもなりかねません。
もちろん、援助であっても、家族の心、あなたとの関係にしこりを残すことも有り得るでしょう。
以上のように、家族による援助にもデメリットはありますので、家族に援助をお願いする際には予めよく考えてください。
債務整理を行う
借金地獄を根本的に解決するには、債務整理を行うのが最適な方法と言えます。
債務整理には、借金をしている人の状況によって任意整理や自己破産など複数の選択肢があります。
自分の状況に合わせた債務整理を行えば、借金地獄から脱出することができるでしょう。
債務整理は自分で行うことも可能ですが、自分に合った債務整理の方法を選択して間違いなく手続きを進めるには、専門家である弁護士に相談するのが得策です。
なお、債務整理については次の章でも解説しています。
弁護士を通じて債務整理をすれば取り立ても止まる
借金地獄に苦しんでいる人の中には、債権者からの電話や手紙による取り立てに頭を悩ませている方も多くいらっしゃるでしょう。
弁護士を通じて債務整理をすると、弁護士が債権者に受任通知を送付しますが、これにより債権者からの取り立てをストップできます。
取り立てに苦しんでいる方は、弁護士への相談が状況改善の大きな一歩になる可能性がありますので、お早めにご相談ください。
借金地獄から抜け出せる債務整理の種類
前の章で取り上げた債務整理について、より詳しくお伝えしていきます。
債務整理の方法として良く使われるのは、次の3種類の手続きです。
- 任意整理
- 自己破産
- 個人再生
3種類の債務整理の方法にはそれぞれ特徴があるため、自分の状況に合わせた最適の方法を選択する必要があります。
ここでは、それぞれの特徴を詳しく解説します。
任意整理:返済額が減れば抜け出せる人向け
任意整理とは、裁判所を利用せずに債権者と直接交渉して借金を減額する手続きのことです。
任意整理の交渉に成功すると基本的には、本来であれば今後支払うべき利息がカットされ、また、数年かけて返済するという分割返済計画を立てることで月々の支払額も楽になります。
任意整理は裁判所を利用せずに行う手続きなので家族や会社に知られずに進められる可能性が高く、借金をしていること自体を隠したい人にとっては利用しやすい債務整理の方法です。
ただし、任意整理をしたことは信用情報に記録として残り、いわゆるブラックリストに載る状態になります。
また、自己破産とは異なり借金が無くなることはないので、借金の返済を続けていかなければなりません。
また、返済合計額や分割返済回数は債権者も納得するものでないといけないので、債務者が「月○円だったら払える」といくら言っても応じてもらえないことはあります(こういった場合には、通常、後述の破産や再生を検討することになります)。
任意整理は、月々の返済額さえ減れば完済まで借金の返済を続けていける人向けの方法と言えるでしょう。
任意整理について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
自己破産:借金がゼロにならないと抜け出せない人向け
自己破産とは、裁判所で借金をゼロにしてもらうための手続きのことです。
自己破産をすると、高額な財産(不動産が典型例ですが、自動車なども対象となることもあります)、99万円を超える金銭などの財産を失うことになりますが、借金をゼロにすることができます。
また、自己破産をするとブラックリストに載ることに加えて官報に氏名等が掲載され、手続きの最中は、警備員など一定の職業に就くこともできません。
自己破産にはデメリットも多くありますが、借金がゼロになるという大きなメリットを得ることができます。
借金がゼロにならないと借金地獄から抜け出せない人には、自己破産が適していると言えるでしょう。
自己破産について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
個人再生:自宅を守り、借金地獄を抜け出したい人向け
個人再生とは、民事再生手続きの一種であり、裁判所に再生計画を認可してもらうことで借金の大幅な減額をした上での分割返済を認めてもらう手続きのことです。
分割返済の原則的な期間は3年ですが、最大5年まで延長されることもあります。
個人再生は自己破産とは異なり、自宅や自動車、保険などの財産も、担保に入れている等の事情がなければ、手放す必要はありません。
手元の財産を守りつつ借金地獄を抜け出したい方に適した債務整理と言えるでしょう。
ただし、高額財産を持っていると返済額も高額になることもあるなど、いくつか条件・注意点もあります。
まとめ
借金地獄に陥っている人の多くは、さらに厳しい状況に追い込まれる行為や間違った方法を試みてしまい、借金地獄から抜け出せない状況が続いてしまっていることでしょう。
借金地獄と呼べる状況になると、利息の返済すら追いつかずに債務総額がどんどん増えてしまい、自力で抜け出すのは難しくなります。
借金地獄から抜け出すには、家族に援助してもらうとか、債務整理を行う、など何らかの対策をとる必要があるでしょう。
債務整理には任意整理・自己破産・個人再生といった方法がありますが、自分に適した方法を選んで滞りなく手続きを進めて借金地獄を解消するには弁護士に相談することをおすすめします。
サンク総合法律事務所では、借金に関するご相談を無料で受け付けています。ご相談時には一切費用はかかりません。
借金地獄から一刻も早く抜け出したいとお悩みの方は、一人で抱え込まずぜひご相談ください。